米ビクター(JVC Company of America)がInternational CESの2日目、1月9日に報道関係者を対象としたカンファレンスを開催、同社独自の表示デバイス「HD-ILA」を利用した薄型リアプロや、高速駆動パネルを搭載した液晶テレビなどを披露した。
ブースの入り口にはリアプロのフラグシップとして110インチタイプ(参考展示)が展示されていたが、リアプロの市販品について、大画面は70インチまでのラインアップ。56/61/70インチの各サイズを用意するほか、58/65インチについては厚みを大幅に減らしたスリムタイプを「HD-58S998」「HD-65S998」の名称で製品化することが明らかにされた。
これらは9月に技術発表が行われた映像投射システム「スリムファンクション光学エンジン」(関連記事)を採用することで、厚さを58インチタイプで10.6インチ/65インチタイプで11.6インチまでスリム化している。もちろんフルHD対応だ。
価格は「HD-58S998」が3299.95ドル(約40万円)、「HD-65S998」が4199.95ドル(約50万円)。さらに大画面の製品を製造することも技術的には可能だが、「大画面テレビのマーケットが大きな米国市場でも70インチクラスは需要が少ないため、当面は65インチまでを製品化する」(同社)とのことだ。
なお、現在は通常タイプとスリムタイプの2ラインが併存しており、スリムタイプは高付加価値商品という位置づけになっているが、将来的には全製品のスリム化を進めていきたいという。
今年のInternational CESにおける各テレビメーカーの「合い言葉」になりつつある120Hz駆動だが、同社も42/47インチ(「LT-42X898」「LT-47X898」)のフルHD高速駆動モデルを米国で販売する。高速駆動モデルについては、国内では既に「高速液晶EXE」(関連記事)として製品が展開されているが、米国では「High-Speed LCD」をキャッチフレーズとする。なお、フルHDの高速駆動モデルは日本国内でも製品が投入される予定だ。
DLNA対応のDVDホームシアターセット「DD-3」「DD-8」も発売がアナウンスされた。スピーカー構成としては2.1chだが、フロントサラウンドシステムを搭載しており、臨場感のある音場を作り出す。DD-3は小型フロントスピーカーを組みあわせたデスクトップタイプで、DD-8はトールボーイ型スピーカーを組みあわせたリビング向けとなっている。
残念ながら写真撮影はできなかったが、興味深い技術展示も行われていた。最も目を引いたのは、光源にランプではなくLEDを利用したHD-ILAリアプロ。まだ研究所レベルだというが、発光特性に優れるLEDを利用することで暗部の階調表現に優れており、暗闇の中で黒い服を着た人物が動くようなシーンでも細部がハッキリと確認できた。
「CinemaWide」と名付けられたリアプロも展示されていた。文字通り、アスペクト比をシネマサイズ(シネスコ)の2.35:1としたモデルで、劇場映画がそのままのアスペクト比で黒フチなしに再現できる。展示機は72インチのリアプロテレビをベースに上下をカットする手法で作製されたとのことだった。
Blu-ray Discプレーヤー(モックアップ)も展示されていた。既存DVDプレーヤーのようなスリムなデザインが目を引くが、市販化を含めた詳細は未定。
「いま現在は、Blu-ray Discが立ち上がったとはいえないと認識している。技術的にはレディの状態だが、市販時期など詳細については市場の推移を見守りながら検討したい」(同社)
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