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注目記事で今年を振り返る(下半期編)(1/3 ページ)

» 2007年12月27日 17時21分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 コピーワンス緩和問題や本格始動した次世代DVDレコーダーなど、2007年の下半期も注目すべきトピックは豊富だった。前回に続き、今回は下半期を注目記事で振り返る。

7月――コピーワンス緩和の方針が具体化

 現在も検討が進められている、コピーワンス緩和の具体的な内容が提示されたのは7月12日に行われた総務省の委員会。1世代のコピーを9回まで認めるいわゆる「ダビング10」が推進されることが確認された。

 この動きを受け、音楽や映像、実演に関する権利者団体で組織される「デジタル私的録画問題に関する権利者会議」はダビング10の実施に際しては補償金制度の維持が不可欠との声明を発表した。その後、JEITA(電子情報技術産業協会)は補償金制度の廃止を訴える声明をWebサイトへ掲載し、「場外乱闘」の様相を呈することになるのだが、それは数カ月語の話となる。

photophoto 「ダビング10の実施に際しては補償金制度の維持が不可欠」と訴える、実演家著作隣接権センター 椎名和夫理事(左)と日本音楽作家団体協議会 服部克久会長(右)

 年末に購入した人も多かったと思われる新型のプレイステーション・ポータブル(PSP)「PSP-2000」の発表も7月の出来事。基本機能は既存モデルと変わらないが、重量は約3分の2の189グラム(従来モデルは約280グラム)、厚さは5分の4となる約18.6ミリ(従来モデルは約23ミリ)と小型軽量化が進められ、テレビ出力機能も搭載。また、専用オプションとしてワンセグチューナーも用意された。

photo 新型のプレイステーション・ポータブル(PSP)「PSP-2000」

関連キーワード

ダビング10 | JEITA | PSP | コピーワンス


8月――「KURO」登場、倍速+フルHDは標準装備へ

 “大きい・薄いだけ”ではない、新たな付加価値の提案を行う薄型テレビが多数登場した。筆頭はパイオニアのプラズマテレビ「KURO」。ブランド名の通り、黒再現性を特徴とした高画質モデルで、現在に至ってもその画質は各所から高い評価を得ている。単なるインチ単価の競争では、液晶に対して対抗することが難しくなっていたプラズマ陣営からの強力な“刺客”の登場と言えるだろう。

 他社も指をこまねいている訳ではない。パナソニックは「VIERA」シリーズの新製品としてフルHD薄型テレビ7機種を、ソニーは70V型を筆頭とするフルHD液晶テレビを発表。また、東芝やビクターも新製品をそれぞれ発表したが、各社液晶テレビに共通するトレンドは倍速駆動技術の投入。技術そのものは1月のInternational CESで各社からアナウンスされていたが、夏モデルに実装され登場した訳だ。

photophoto パイオニアの“KURO”「PDP-6010HD」(左)、40V型から70V型の大画面モデルを揃えたBRAVIA新モデル(右)

 「AQUOS」ブランドを有するシャープは、画質・薄さ・環境性能のいずれも既存製品を大幅に上回る試作機を公開した。試作機は52V型のフルHD解像度で、暗所コントラストは100000:1、色再現性はNTSC比で150%、正面輝度は500カンデラであるほか、140kWh/年という年間消費電力も既存製品を大幅に上回っている。2011年に予定されている同社新工場の稼働にあわせて量産が開始される予定だが、液晶の次世代姿を感じさせた。

photo シャープの52V型の次世代液晶(写真は「エコプロダクツ2007」の同社ブースにて撮影)

 Blu-ray DiscとHD DVDの双方を提供していた米Paramount Picturesと米DreamWorks Animationが、HD DVDの単一支持を打ち出したのは驚きをもって受け止められた。影響を受ける代表的な作品は「トップガン」「ミッション・インポッシブル」シリーズなど。その後、他のハリウッドメジャーから、どちらか一方のみの支持を伝える意向は示されておらず、パラマウントだけが突出してしまった格好が続いている。

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