地上/BSデジタル放送の5.1チャンネルサラウンドを手軽かつ本格的に楽しもうという趣旨でピックアップした今回のサラウンドシステム特集、皆さんのご参考になっただろうか。
今回紹介した製品は、いずれもセットモデルであるうえに、(NIRO NS-600とパイオニアのHTZ-373DV以外は)HDMI端子を持ちながらも5〜10万円とリーズナブル。手間もコストも、今すぐ始められそうな“お手軽”モデルばかりだ。「本格シアターはセッティングもコストもハードルが高くて」とちゅうちょしていた人は是非、こういった手軽な製品からサラウンドの楽しさを体験してほしい。
音は目に見えないのでないがしろにされがちだが、映像にとっても重要な要素。映像の迫力や臨場感をより際だたせる効果がある。せっかくのフルHD映像なのだから、その素晴らしさを存分に堪能するためにも、サラウンド音声を積極的に楽しんでほしい。そこにはテレビの内蔵ステレオスピーカーでは感じ取ることができなかった、新しいリアリティーが存在するのだから。
さて、今回紹介した7機種が、どのような環境やユーザーにとってベストな選択になるのだろう。そういった環境との整合性や使い勝手の面も含め、総まとめとして紹介しよう。参考として、以前の特集で取り上げた一体型サラウンドシステムも一部候補にしている。
設置の簡単さにかけては、一体型フロントサラウンドタイプが圧倒的に有利だ。今回レビューした製品のなかでは、ヤマハ「YSP-600」がその筆頭となる。
サウンドクオリティー的にも同価格帯のライバルをけ散らす実力を持っており、そのうえ自動音場調整機能を内蔵しているため、オーバーな言い方でなく“ポンと置くだけ”で設置が完了する。この手軽さは何物にも代え難い魅力だ。
またHDMIリンクに対応していることも、使い勝手の点ではうれしい。パナソニックや東芝、シャープ、ソニーなどのテレビと接続すれば、テレビ側からリモコンで電源の連動オン/オフ、ボリューム調整、入力切替がコントロール可能となっている。
一体型フロントサラウンドは、サブウーファーも内蔵しているために、本体サイズがやや大きめになってしまうデメリットがある。YSP-600もご多分にもれず、奥行きが220ミリあり、設置場所は少し選ぶかもしれない。しかしラック内に納めたり、センタースピーカー用のスタンドを使えばそれほど苦労はないはず。自室の環境に合ったベストポジションを見つけてほしい。
音質的にさらに上を目指したいという人には、前回の特集で取り上げた上位モデルの「YSP-3000」をお勧めしよう。価格は倍程度になるが、サウンドクオリティーはさらに向上。ナチュラルできめ細やかな音が楽しめるようになる。このクラスまで行くと、単にテレビに付けているだけではもったいない。「プレイステーション3」やBDレコーダーなどと組み合わせ、積極的にBDソフトを楽しみたい。
一方、テレビラックも探しているという人には、ラックシアターという手段もある。
パナソニック「SC-HTR210-K」は、同社の37〜42V型プラズマ/液晶ディスプレイ向けに設計されたラックシアター。設置に関しては希望の位置にラックを置き、その上にテレビを乗せるだけで設置完了。配線もHDMIと光デジタルケーブルの2本でOK。パナソニック・ビエラシリーズとの組み合わせであれば、テレビのリモコンで電源の連動オン/オフ、ボリューム調整、入力切替が簡単に行える。また番組内容によってサラウンドモードを自動切り替えする「ぴったりサウンド」も装備しているので、ビエラユーザーには有力な選択肢となるだろう。
こちらは42〜50型用として「SC-HTR310-K」が用意されているほか、上位モデルとして「SC-HTR500-K」もラインアップ。手間は増やさず音質のみを高めたいという人は、こちらも選択肢に加えよう。
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