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使い方とスペースで選ぶ低価格サラウンドシステムサラウンドで北京五輪を堪能する(2/2 ページ)

» 2008年08月13日 13時25分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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低価格であっても本格5.1チャンネルサラウンドがほしい

 今回のように入門用のお手軽サラウンドシステムであっても、きちんとした5.1チャンネルを楽しみたいという人には、ソニー「HT-IS100」とパイオニア「HTZ-373DV」が最有力候補となる。

photophoto ソニー「HT-IS100」(左)とパイオニア「HTZ-373DV」(右)

 なかでもソニーは、わずか4センチ四方しかないスピーカーから出ている音とは思えない本格サウンドが楽しめるため、リアル5.1チャンネルを体験したいという人にはぴったり。自動音場調整機能の搭載しているので、セッティングも楽。完成度の高い製品だ。

 一方のパイオニアは、センタースピーカーが置けない、リアサラウンドの位置が正しい場所に置けないという人にも有用だ。こちらはセンタースピーカーが2つ用意されており、フロント左右のスピーカーと重ねておくことが可能。また高度なセッティング能力を持つ独自の自動音場調整機能を装備しているため、リアスピーカーの位置が横気味になったり後ろ気味になったりしても、ある程度は補正をかけることができる。このように、環境的に導入あきらめていたユーザーにも、リアル5.1チャンネルならではのサウンドを楽しませてくれるのが、パイオニアの素晴らしい点だ。

壁掛け設置がしたい

 テレビが壁に掛けられているため、スピーカーも壁に固定したいという人にも、ソニー「HT-IS100」とパイオニア「HTZ-373DV」は魅力的な製品だ。特にHT-IS100は、メインスピーカーの小ささから視覚的にも存在感を主張しすぎることがないため、壁掛け設置時の見栄えもかなり好印象。配線の処理が少々難題だが、テレビの背面をうまく利用すれば、それほど目障りな印象にはならないだろう。

 もし一体型フロントサラウンドシステムも可、という人であれば、少々高価だがソニー「RHT-S10」やマランツ「CINEMARIUM」あたりも推薦しておきたい。

photophoto ソニー「RHT-S10」(左)とマランツ“CINEMARIUM”「ES7001」(右)

テレビの前はすっきりと配置したい

 テレビの前にゴタゴタとスピーカーを置きたくない、見た目をある程度重視したいという人に提案したいのが、ソニー「HT-CT100」とNIRO「NS-600」の2つだ。

photo ソニー「HT-CT100」(左)とNIRO「NS-600」

 まずHT-CT100は、3チャンネル分のスピーカーが収まったフロントシステムとアンプを内蔵したサブウーファーがセットとなった製品。構成がシンプルなうえ、フロントスピーカーが高さ/奥行きともにコンパクトだから、テレビ前に置いても存在感を主張しすぎず、すっきりとまとめられる。サブウーファーも薄型コンパクトで設置場所に困ることはないはずだ。

 そういった収まりの良さでは、NORO NS-600もなかなか。メインスピーカーユニットはフロント3チャンネル/リア2チャンネルの2つに分かれているが、テレビの上下に設置するため煩雑なイメージはまったくない。またラウンドしたデザインによって、スピーカーならではの無骨さはいっさい感じられず、設置した姿はなかなかスマート。見栄えも気にする人も、これだったら充分満足できるはずだ。

狭い部屋にもぴったりのシステムがほしい

 部屋が4畳以下の狭い人、もしくはデスクトップシステムとして設置予定の人には、オンキヨー“WAVIO”「GXW-2.1HD」を推薦したい。

photo オンキヨー“WAVIO”「GXW-2.1HD」

 こちらはもともとPC用のデスクトップシステムをベースにしているだけあって、音量を手軽に調整できるダイヤル式ボリュームコントロールや、メインスピーカーを15度斜めに設置できるスタンドなど、限られた空間を有効に活用できる。音質的にも比較的近距離で聴いた方が本来の能力を発揮できるため、今後広い空間に移設する予定がない人には、こちらがぴったりのシステムだろう。最新のHDMI1.3aに対応し、HDオーディオの再生やHDMIリンクによる機器の連動操作が行えることも魅力的なポイントとなっている。

ゆくゆくは5.1チャンネルにグレードアップしたい

photo オンキヨー「GXW-2.1HD」の背面には5チャンネルのスピーカー端子が用意されている

 当面はフロントサラウンドとして使用するが、ゆくゆくはリアル5.1チャンネルシステムにアップグレードしたいという人には、パナソニック「HTR210-K」とオンキヨー「GXW-2.1HD」がベターな選択肢となる。HTR210-Kはコードレスリアスピーカーが、GXW-2.1HDはセンターとリアスピーカーがオプションとして用意されていて、拡張が簡単に行えるようになっているためだ。とくにGXW-2.1HDには5チャンネル分のパワーアンプが内蔵されており、どちらかというと5.1チャンネルシステムの方がスタンダードなようにも思える。

 一方で、パイオニアのHTZ-373DVもそういった拡張に対応できる懐の深さがある。いまはテレビ横にリアスピーカーも並べ、ゆくゆくは適切な位置に設置し直すことが、何も買い足さず行えるのだ。こういった配慮がHTZ-373DVの利点の1つでもある。


 低価格のエントリーモデルであるために、サウンドクオリティーやサラウンド感など、確かに限界は存在する。だが、今回のテストで感じたのは、どれもエントリークラスだからといって手抜きのない、まじめな製品であったことだ。限られたスペースやコストの中で、いかに良いサウンドを実現するか。そういった開発者の気概のようなものが、どの製品からも強く感じられた。今回紹介した製品は、どれも価格以上のパフォーマンスを発揮してくれるものばかりだ。

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