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ラッセル・クロウら実力派キャストがそろったポリティカル・サスペンス「消されたヘッドライン」が11月26日にBlu-ray Disc化。特典は未公開シーン、メイキングのほか、ピクチャー・イン・ピクチャーやU-CONTROL機能も用意されている。
主人公はワシントン・クローブ紙に勤めるベテラン記者のカル(ラッセル・クロウ)。髪は長く、やや太め。ネットという情報源には頼らず、自分の足と記者の勘を頼りに取材を進める。昔ながらのブン屋という呼び名が似合う男である。カルとは対照的な若い女性記者(レイチェル・マクアダムス)も最初は反発するものの、彼の背中を見て記者魂を学んでいく。そんな彼らが追うのは2つの殺人事件。
1つはドラッグ中毒の黒人少年の射殺事件。もう1つは議員秘書の地下鉄転落事件。しかも、この秘書は高潔なイメージの議員コリンズ(ベン・アフレック)とは愛人関係にあり、コリンズとカルは大学生時代からの親友だった。彼らはある出来事をきっかけに疎遠になっていた。物語は二転三転しながら、事件の背後にある政治絡みの巨大な陰謀に近づいていく。
2003年にイギリスのBBCテレビで放送され、BAFTA TV Award(英国アカデミー賞)3部門を受賞した「ステート・オブ・プレイ〜陰謀の構図〜」を、「ブラック・セプテンバー/五輪テロの真実」「ラストキング・オブ・スコットランド」のケヴィン・マクドナルド監督がアメリカを舞台に置き換えて映画化。
黒幕は誰だ?といった謎解きもスリリングで面白いが、本作の肝は主人公カルの男のドラマと新聞社内の人間模様。友人をかばいたいという気持ちと記者としての使命、彼はさまざまな葛藤に苦しむ。さらにカルは正義感を貫こうと、粘りに粘って締め切りと格闘しながら真実を追う。業績悪化にイライラを募らせる女編集長(ヘレン・ミレン)と対立するが、やがては連帯感を深めてく。友情、恋愛、組織といった濃密かつ人間臭いエピソードが本作を特別なものにしている。
最初から最後まで程よい緊張感が味わえるのは、マシュー・マイケル・カーナハン(「キングダム/見えざる敵」「大いなる陰謀」)、トニー・ギルロイ(「フィクサー」「ボーン」シリーズ)、ビリー・レイ(「アメリカを売った男」)という3人の優れた脚本家が携わった成果といえそうだ。
デブになった、ではなく不摂生な外見のラッセル・クロウが昔気質の記者を見事に体現。ほかにも「クィーン」のヘレン・ミレン、「ハリウッドランド」のベン・アフレック、「シャーロック・ホームズ」のレイチェル・マクアダムスなど、キャストがハマっている。「クライマーズ・ハイ」や「大統領の陰謀」あたりが好きな人にはおススメしたい。
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