リコーから発表された、ユニット交換式デジタルカメラ「GXR」。ボディ内に撮像素子を持たず、「レンズ・撮像素子・画像処理エンジン」が一体化したカメラユニットを交換可能というユニークな機構を採用している。
コンパクトデジカメの普及が一巡し、デジタル一眼レフの成長も鈍化したといわれるが、携帯電話カメラ機能の充実やデジタル一眼のHD動画対応、小型ミラーレスカメラのヒットなど、カメラを取り巻く環境は変化しながら、写真についての興味や関心は持たれ続けている。GXRはコンパクトデジカメが特徴としてきた「小型」「気軽さ」「機動力」「容易さ」などの要素を保ちながら、“一眼レフでなければ”と思われていた領域への挑戦を狙う1台だ。
GXRはレンズだけではなく、撮像素子と画像処理エンジンも同時に交換するユニットシステムを採用することで、あたかもフィルムの一眼レフカメラが撮影状況に応じてフィルムとレンズを交換したよう、さまざまな状況下で最適な撮影を行える柔軟性を手に入れている。また、レンズ/撮像素子/画像処理エンジンを1ユニットにすることで集積度を高め、カメラ全体の小型化と携帯性も向上させている。
現在発表されているカメラユニットはAPS-Cサイズの撮像素子と標準マクロレンズを組み合わせた「GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO」、小型CCDと標準ズームレンズを組み合わせた「RICOH LENS S10 24-72mm F2.5-4.4 VC」の2種類だが、「2010年の早い時期」(同社)には高速撮影可能なCMOSセンサーと35ミリ換算28〜300ミリのレンズを組み合わせたユニットも投入される予定だ。
ユニットはカメラ本体にスライドさせて着脱するようになっており、カメラ正面から見た際の手前/右/下方向空間のすべてが開放されているため、より大型のユニットも装着することができる。また、接続は汎用コネクタで行われ、同社ではカメラ以外のユニットを装着することでの機能拡張も視野に入れている。
撮影に関する重要要素(レンズ/撮像素子/画像処理エンジン)はレンズユニットに含まれるが、このレンズユニットを交換しても、絵作りの方向性は保たれるよう設計されている。具体的にはシャープネス(デジタル一眼に比べ、やや高め)、色再現(GR DIGITALを踏襲)、階調特性(デジタル一眼を意識した高ダイナミックレンジ対応)などの特徴が、レンズユニットを交換しても保持される。ノイズリダクションについては、撮像素子によってノイズ特性が異なるためにカメラユニット側に配置されている。
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