「VHD1200」と「VHD2400」は7月23日にリリースされたフレームレートコンバータで、立体視対応とHQVの画像補正技術「HQV MotionSMART」を導入したのが特徴とされる。説明会のために米IDT本社から来日したビデオ&ディスプレイ・オペレーション部門 戦略マーケティング担当シニア・マネージャのデリー・マーフィー氏は、フレームレートコンバータの立体視対応について調査会社のデータを示しながら、「垂直同期クロックが120Hz対応モデルや240Hz対応モデルが今後成長していく」と、その必然性を訴求。日本アイ・ディー・ティー 技術部シニアフィールドアプリケーションエンジニアの鵜澤裕一氏も、「クライアントの多くは、立体視に対応しない廉価なモデルではなく、立体視対応のモデルを望んでいる」と述べる。
マーフィー氏は、VHD1200とVHD2400の特徴として、「シングルチップソリューション」「HQV MotionSMART Technologyへの対応」「立体視テレビ対応」「低コスト」を挙げる。VHD1200とVHD2400の違いは、垂直同期クロックがVHD1200で120Hz、VHD2400で240Hzに対応する点だけだ。IDTが説明会で示したブロックダイヤグラムもほぼ共通で、出力がVHD1200がクアッドLVDS、VHD2400で8系統のオクタLVDSになる部分だけが異なる。
HQV MotionSMART Technologyは、フレームレート変換処理における画像劣化を軽減する補正技術で、説明会では、「スポーツの実況で映されるボールのような小さなオブジェクトを正確に追尾して補正」、「(画像描画における)ハロー効果が狭い領域に表れても検知して軽減」、「水平方向、垂直方向へ高速なパンニングをしたときに発生するジッタの軽減」、「格子状のような同じパターンが繰り返される動画で発生する描画の乱れを軽減」「マルチケーデンス補正で発生するジッタの軽減」がサンプル画像で検証された効果とともに紹介された。
VHD1200とVHD2400では、立体視動画でもHQV MotionSMART Technologyは有効になるとIDTは説明しているが、鵜澤氏によると「左用と右用の映像を区別してから、それぞれの動画においてモーションの検知と補正を行っている」と述べ(ただし、ダイヤブロックでは補正処理が立体視処理の上流に配置されている)、左右の画像が入り乱れて補正されることはないとしている。また、鵜澤氏は、HQVの画質検証ベンチマークテスト「HQV Benchmark」において、立体視を導入した新しいバージョンの製作が同社で検討されていることも明らかにした。
VHD1200とVHD2400は現在サンプル出荷を行っており、量産版の出荷は第4四半期に予定しているという。1000個ロットにおける単価はVHD1200で25ドル、VHD2400が35ドルとなる。
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