「HQV Benchmark 2.0」はこう使う(1/2 ページ)

» 2010年02月05日 20時26分 公開
[長浜和也,ITmedia]

2.0でも“目視採点”は変わらず

HQV Benchmark 2.0の説明を行った米IDT ビデオ&ディスプレイ・オペレーション部門 戦略マーケティング担当 シニア・マネージャのデリー・マーフィ氏

 IDTは、画質チェックベンチマークテストの最新版として2010年1月に発表された「HQV Benchmark 2.0」の説明会を日本の関係者向けに行い、用意されたテスト項目の特徴を紹介した。

 HQV Benchmark 2.0は、従来のHQV Benchmark 1.4と同様に、BDプレーヤーやDVDプレーヤーに搭載されたビデオプロセッサの性能やディスプレイの表示能力を比較するベンチマークとして開発された。基本的な利用方法は、テスト用動画を再生し、その画質を目視で確認しながらチェックリストに従って採点する。測定者が肉眼で画面をチェックして採点していくのは従来と変わらない。

 HQV Benchmark 2.0では、プレーヤーやディスプレイ、サウンドなどのシステム設定をアドバイスする「System Configuration」が用意される。プレーヤーの設定では解像度とノイズリダクションをアドバイスするほか、ディスプレイ設定では、テストパターンを使ったアスペクト比と解像度チェック、グレイバーとカラーバーを使った輝度調整などができる。また、画面と音声出力の遅延をチェックするテストパターンも用意された。

HQV Benchmark 2.0のメインメニューには、評価システムの設定をアドバイスする「SET UP」メニューとチェック方法を説明しながらテストを行う「EXPLANATION TESTS」が追加された(写真=左)。SET UPでは、解像度とノイズリダクション設定をアドバイスする「System Configuraton」と解像度とアスペクト比(写真=中央)、輝度をチェック(写真=右)するテストパターンが収録された「Display Setting」が用意される

同じく、Display Settingで用意されたカラーバー(写真=左)と、コントラストを調整する白基調の画像(写真=中央)と黒基調の画像(写真=右)

色の調整に利用する「Color Adjustment」に収録された色鉛筆画像(写真=左)と人物画像(写真=中央)。色鉛筆画像ではR、G、B、それぞれのみを表示して調整する画像も収録される。動画再生とサウンド再生の遅延をチェックできる「Audio Synchronization」も用意された(写真=右)

大幅に増えたテスト項目。評価を容易にする工夫も

 収録されたテスト項目は「Video Conversion」「Noise and Artifact Reduction」「Image Scaling and Echancements」「Adaptive Processing」の4クラス14チャプター39テストと大幅に増えた。

 テスト用の画像には、HQV Benchmark 1.4でも使われていた“回転するバー”や“上下に動くバー”に表れるジャギーで診断する「Video Recolution」テストなどがあるが、回転するバーの背後にメッシュパターンをおいて、にじみやゆがみの有無で診断したり、上下に動くバーが動くテストでグレイスケールのバーを増やすなど、より細かいチェックができるように変更が施されている。

 また、「Film Resolution」テストでは、スタジアムに設置されたベンチ席にモアレが発生するか否かで採点するが、このチェックを容易にできるように、スクエアボックスを配置して、このボックスが点滅するか否かでも診断できるようにしている。

回転するバーのジャギーで画質をチェックする「Video Resolution」の「Dial」テスト(写真=左)には、メッシュを追加した「Dial with Static Pattern」が追加された(写真=中央)。バーが上下に動く「Gray Bars」テストではグレイスケールのバーを追加した(写真=右)

BD版に収録された「Violin」は弦のジャギーに注目する(写真=左)。「Film Resolution」では観客席のモアレで画質を採点するが、それ以外に画面下に設けられたスクエアボックスの点滅でもチェックできるようになった(写真=中央)。「Overlay on Film」では、横方向と縦方向にスクロールするテキストのエッジで画質をチェックする(写真=右)

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