香港と深センのPC向けメモリ/ストレージ価格はどうなっている? 日本の状況と比べてみた(1/3 ページ)

» 2025年12月19日 17時00分 公開
[すまさITmedia]

 昨今、世界的にメモリやストレージの在庫不足と価格高騰が日々深刻化しており、このことはITmedia PC USERを含むPC関連メディアでも大きな話題となっている。先日、台湾・台北におけるメモリ/ストレージの価格状況を現地で調べてレポートしたが、傾向としては日本(東京・秋葉原)と大きく変わらない状況だった。

 今回は、中国の香港特別行政区(香港)と福建省深セン市(※1)の電気街においてメモリ/ストレージの価格状況を調べてきたのでレポートする。

 なお、香港と深センでの調査は12月13日、日本(東京・秋葉原)での調査は12月18日に実施している。価格は香港ドルが「1ドル=20円」、人民元が「1元=22円」で換算する。

(※1)深センの「セン」はつちへんに川

香港のメモリ/ストレージ価格はどう?

 香港ではPCショップが集まる地域はいくつかあるが、今回は九龍(クーロン)の深水ホ(推進補/シャムスイポー:※2)にある「黄金電脳商城(Golden Computer Arcade)」で調査した。

 英語名からも分かる通り、黄金電脳商城はPCやゲーム、ガジェットを取り扱うショップが多く集まった商店街だ。スマートフォンやタブレットを購入したい場合は、同じ九龍の旺角(おうかく/モンコック)にある「先達廣場(Sin Sat Plaza)」の方が品ぞろえを期待できる。

(※2)深水ホの「ホ」はつちへんに歩

黄金電脳商城 黄金電脳商城は、香港鉄路(MTR)セン湾線の深水ホ駅のD1出口を出てすぐの場所にある。(セン湾の「セン」は、くさかんむりに「全」のかんむり左側に横棒が入ったもの)

メモリはやっぱり値上がり傾向に

 価格上昇が続くメモリだが、日本では10〜11月頃から値上げが顕著になった。この傾向は台湾はもちろん、香港でも同様だ。

 香港のPCパーツショップには価格表があり、どのブランドの製品がいくらなのか確認することができる。香港の場合、日本と同様にExcelベースの価格表を液晶ディスプレイに表示するスタイルもよく見かける。

価格表 Excelベースの価格表。なお、台湾や香港のPCパーツショップでは、クレジットカードを使用する際に別途手数料がかかることが多いのだが、写真の店ではメモリやSSD、グラフィックスカードの購入時は「手数料無料」としていた

 今回も、世界的に取り扱いの多いKingston製のメモリモジュールを中心に調査をした。ただし、意外かもしれないが、秋葉原では同社の「ValueRAM」(シンプルなメモリ)の流通量はそこまで多くない。そのため、同等スペックのJEDEC準拠の「DDR-5600 CL46」メモリの最安値を参考に記載している。

 また、2枚セットのみ取り扱っていた場合は、価格を半分に記載している。メモリモジュールは、複数枚セットによる値引きはあまりない(2枚セットは単純に2枚分の価格になることが多い)ので、問題ないだろう。

メモリ 香港におけるメモリモジュールの価格

 調査日が近い秋葉原における価格の高さが目立つが、話を聞くと香港も毎週のように値上がりしているとのことなので、恐らく秋葉原と大差のない状況となっている。

 ちなみに、黄金電脳商城のPCパーツショップで「メモリを詳しく見たい」と聞くと、「おう、いいぜ。1枚? 2枚? 3枚? 4枚?」と、“前のめり”な対応をされることが多い。少し焦ったが、丁重にお断りした。

32GB 「うちなら32GBモジュールもあるぜ!」とアピールされたが、何とか勧誘に打ち勝つことができた。筆者は押しに弱いのである

SSDは秋葉原の方が一部で安い?

 続いてSSDも見ていこう。台湾編と同じく「Kingston NV3」「Crucial P310」「Samsung 990 PRO」の3機種の1TBモデルの価格を比較することにする。キオクシアのSSDは、残念ながら香港のPCショップでは見かけなかったため除外した。

SSD価格 香港におけるSSDの価格

 台湾編と見比べると分かるが、秋葉原におけるSSDの価格には変動がなかった。全体的にはメモリと同じく香港と秋葉原の価格差はあまりない状況なのだが、Kingston NV3については「秋葉原C店」が継続して特価販売している影響で“手頃感”が強めに出ている。

 余談だが、香港ではNetac Technology製SSDを見かけることが多い。同社はハードウェアメーカーであると共に、多くの特許を保有しており、複数の同業他社と裁判で係争したことでも知られる。

SSD 香港のPCパーツショップでは、SSDの種類も豊富な傾向にあるのだがキオクシア製は見かけなかった

自作PCを今作るなら、どんな構成がいい?

 香港のPCパーツショップで、雑談がてら「今PCを組むならどんな構成がいい?」と尋ねてみると、「DDR5メモリなら、32GBまではまだ“現実的”なライン。それ以上の容量は、難しいねー」という声もあれば、「DDR4メモリにすれば安くなるよ! うちならまだ「LGA1700(第12〜14世代のCoreプロセッサ)」や「Socket AM4(Ryzen 5000シリーズまで)」のマザーボードやCPUも在庫あるから、一式買って行きなよ」という声(売り込み?)もあった。

 なお、DDR5メモリとDDR4メモリの価格差は、16GBモジュールで200香港ドル(4000円相当)程度だった。

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