FPD International
次世代情報端末“自販機”、ポイントは省エネ画面?
夏の電力不足により、設置台数の多さとその消費電力が問題視された自動販売機。一方、バッテリーなどを搭載して災害発生時に水分の供給源にしたり、屋外で情報を得る手段として活用する動きも活発化している。パシフィコ横浜で開催中のフラットパネル専門展示会「FPD International 2011」でもユニークな自動販売機が注目を集めた。
台湾AUOブースには、64インチの液晶パネルを搭載した自動販売機が参考展示されている。透過型液晶の応用製品として、国内外7社が協賛して開発したコンセプトモデルだ。
ベースになったのは、商品が外から見える“グラスフロントベンダー”と呼ばれるタイプの自販機。本来はガラスの部分に透過型液晶パネルを装着し、ここに商品の詳細情報やコマーシャル動画を大きく表示する。自販機内で商品を照らす明かりをバックライト代わりに使うため、「約70%の消費電力が削減できる」という。
タッチパネルも備えているため、利用者は大きな画面でインタラクティブに商品を確認・購入できる。また、大きな文字でニュースを表示したり、指定避難場所への地図を表示したりと画面の表現力はかなり豊かだ。さらに、サルやゾウ、ニワトリといった動物(のシルエット)が画面を動き回って周囲の人の注意を引いたり、画面を飛び回るサルをタイミングよくタッチすると木から落ちるといった遊び心も加えた。
開発したのは、自動車用コンプレッサーや自販機を手がけるサンデン。AUOやインテル、SCALAなど7社が協賛しており、CPUはIntel Core i7、Windows 7上でSCALA製インタラクティブアプリケーションが動いているという。現時点で事業化の予定はないが、街角に置かれたら人気が出そうだ。
被災地でも活躍する自販機
一方、凸版印刷ブースに展示されていたのは、電子ペーパーを使ったディスプレイ付きの自動販売機。2008年から仙台市の地下鉄駅で導入している「まちコミ」対応自動販売機だ。
まちコミは、駅で電車を待つ人々に地元の情報や広告をマッチングさせるという地域密着型のコミュニケーションサービス。現在は4つの駅に自動販売機やデジタルサイネージ(電子看板)の形で端末が設置され、実証実験を行っている段階だ。
「バックライトを使わない電子ペーパーは既存のデジタルサイネージに比べて圧倒的に省エネ。消費電力は、72インチの大きなものでも、わずか21ワット」(凸版印刷)。
また東日本大震災後は、仙台市広報課の許可を得て市のホームページから復興関連情報を「まちコミ」に転載。地下鉄利用者への情報発信を開始するとともに、新たに仮設住宅が建設された地域7カ所を含む9カ所に自動販売機を導入したという。
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