一方で、装着感の良さも特筆ものだ。イヤークッションは、先のXBシリーズ最上級モデル「MDR-XB1000」などにも使われている低反発ウレタンフォームを採用している。こちらは3Dメガネの併用を考慮してのチョイスだというが、映画など長時間の使用時にはもってこい。調節不要のフリーアジャスト機構と併せて、約325グラムという数字以上に軽快だ。
また、ヘッドフォン自身にリモコン機能が搭載されているのもうれしい。こちらは当たり前のようでいて、実際には電源ボタンとボリュームしか用意されていない製品が多かったりするのだが、MDR-DS7500では、プロセッサーの音場切り替えやセンター/サブウーファーレベル調整、(プロセッサーの)電源オンオフまでヘッドフォン側から行えるようになっている。電源のオンオフやサラウンド調整の旅に、いちいちプロセッサーユニットに手を伸ばさなくてもよいのは、ありがたい限りだ。前述の装着する度自動的にオンとなるシステムも含め、使い勝手に関してはかなりの魅力を感じた。
DSPの世代が変わったのだろうか、それともデュアル搭載が効いているのだろうか、先代に対してもかなりのクオリティーアップを果たしたサウンドだ。もちろん、ピュアオーディオ向けの高級モデルには解像度もニュアンス表現も及ばないが、素直でキレのよいサウンドは、抑揚がダイナミックで、リアリティー感も高い。
また、低域もサラウンドヘッドフォンにありがちな「量が多ければOKでしょ」というタイプではなく、ほどほどに解像度が確保された、芯のある上品な鳴りをしてくれるため、上手く中域に厚みを与えてくれている。なかなかに絶妙なバランス感覚だ。また、サラウンドモードを使った際、解像度感の低下かいちじるしくなく、音色的な変調をそれほど感じない点にも好感が持てる。
一方のサラウンドフィールド表現に関していうと、「シネマモード」は少々効果を強調し過ぎかな、とも思うが、コンテンツによっては上手くハマるものがありそう。一般的には「ゲームモード」あたりがちょうど良さそうに感じられた。
いずれにしろ、先代に対して音質ははかなりレベルアップした印象だ。この音質であれば、映画だけでなくライブビデオなどのコンテンツも充分に楽しめそう。なかなかに魅力的な製品に仕上がっているといえそうだ。
音質評価 | (サラウンドオフ時) |
---|---|
解像度感 | (粗い−○−−−きめ細かい) |
空間表現 | (ナロー−−−○−ワイド) |
帯域バランス | (低域強調−−○−−フラット) |
音色傾向 | (迫力重視−○−−−質感重視) |
型番 | MDR-DS7500 |
---|---|
型式 | 密閉ダイナミック型 |
ワイヤレス伝送 | 2.4GHz無線伝送、見通し30メートル |
ドライバー | 50ミリ径ドーム型 |
再生周波数特性 | 5〜2万5000Hz |
発売日 | 販売中 |
価格 | 4万9350円 |
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