ITmedia NEWS >

ソニー、オープンエアー型ヘッドフォン「MAシリーズ」5機種を発表インドア派に

» 2012年04月04日 13時30分 公開
[ITmedia]

 ソニーは、ヘッドフォンの新シリーズとなる「MAシリーズ」5機種を4月下旬に発売する。すべてオープンエア型で、大口径のドライバーユニットを採用した点が特長。最上位モデル「MDR-MA900」は、世界最大の70ミリ径ドライバーを搭載するフルオープンエアタイプだ。

左から「MDR-MA900」「MDR-MA500」「MDR-MA300」

「MDR-MA102TV」と「MDR-MA100」。MA102TVは、5メートルの長尺コードにボリュームコントロールを備えたテレビ用モデル。そのほかの仕様はMA100と同じだ。

 MAは、“Multimedia Audio”の略。テレビやオーディオ機器のみならず、PCやポータブル機器にヘッドフォンを接続するケースが増えていることに着目し、「家の中でリラックスして音楽を楽しめるよう、装着感の向上と“聴き疲れしない音”を目指した」(同社)。ラインアップは、最上位モデルの「MDR-MA900」、ミッドレンジモデルの「MDR-MA500」、スタンダードな「MDR-MA300」、エントリーの「MDR-MA100」。さらにMDR-MA100の派生モデルとして、5メートルの長尺ケーブルを付属したテレビ用「MDR-MA102TV」も用意している。

 オープンエア型のメリットは、広がりのある音場再現と開放的な装着感、そして“こもり”による音質への影響を排除できること。密閉型に比べると、低音の再現性や“音漏れ”といった不利な面もあるが、大口径ドライバーで低音再生を強化しつつ、家庭向けに用途を絞ることで対応した。

MDR-MA900は、スライダー部にアルミ、ハンガー部にはマグネシウムなど軽金属を多用することで軽量化を図った。70ミリドライバーを搭載しながら重量は約195グラム

 中でも70ミリ径ドライバーを採用したMDR-MA900には、「アコースティック・バス・レンズ」と呼ばれるユニークな機構が採用されている。フルオープンタイプは、ドライバーユニットの前面が開放されているために低音が再生しにくい特長があるが、音響抵抗部材で構成されたボックス型の音響回路を設け、低音をドライバーユニットの中心部に集中させることで、密閉型に劣らない低音再生を目指したという。また周波数特性の乱れを抑え、伸びのある高音域も実現した。

「アコースティック・バス・レンズ」の概要(左)。「インピーダンス整合回路」による周波数特性の変化(右)

 もう1つの特長は、「インピーダンス整合回路」。同社によると、フルオープンタイプでは、ドライバーユニットの音響制動が低く、接続した機器の出力インピーダンスによって低音の再生能力が6dBも変化してしまうという。このため抵抗ネットワークによる整合回路をドライバーユニットに内蔵。音質のバラツキを大幅に低減している。

 一方、中上位モデルの「MA500」「MA300」には、装着時の快適性をアップする「フレキシブルイヤーフィットメカニズム」を採用した。ドライバーユニットをハウジングに固定するパーツを簡単に動く(フレキシブル)素材を用いることで、装着時に耳があたっても圧迫感を軽減できる。「人の耳の形は千差万別。寝耳もあれば、立ち気味の形もある。どんな耳の形状でもユニットが耳の形に追従する新機構により、快適に装着できる」(同社)。

「フレキシブルイヤーフィットメカニズム」。内側からドライバーユニット部分を押すと簡単に動く

 そのほか、主な仕様は下記の通り。

型番 MDR-MA900 MDR-MA500 MDR-MA300 MDR-MA100 MDR-MA102TV
タイプ フルオープンエア オープンエア
ドライバー 70ミリ(ネオジウム) 40ミリ(ネオジウム) 40ミリ
再生周波数帯域 5〜4万Hz 8〜2万5000Hz 10〜2万4000Hz 12〜2万2000Hz
感度 104dB/mW 104dB/mW 102dB/mW 102dB/mW 100dB/mW
インピーダンス 12オーム 40オーム
重量 約195グラム 約245グラム 約190グラム
備考 アコースティックバスレンズインピーダンス整合回路搭載 フレキシブルイヤーフィットメカニズム採用   テレビ用派生モデル。ボリューム調整可能なリモコン付き5メートルコードが付属
ケーブル 片だし 両だし
ケーブル長 3メートル 2メートル 5メートル
実売想定価格 2万9500円 9500円 4700円 2350円 3500円
発売日 4月21日

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.