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» 2012年07月30日 14時15分 公開

野村ケンジの「ぶらんにゅ〜AV Review」:オ・ト・ナのための高級アイテム、ハーマンカードンのヘッドフォン (2/2)

[野村ケンジ,ITmedia]
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オトナにうれしいスマートな外観、そしてジェントルな音

 まずは「CL」ヘッドフォンから。シルバーとブラックのツートーンによるカラーリングは、なかなかにシックなイメージ。同社がレクタングル(長方形)シェイプと呼ぶ、角の丸められたスクエアフォルムなど、近年のハーマンカードンブランドが主張する「大人向けの高級ブランド」といったアイデンティティーが端的に表された、スマートなデザインに仕上げられている。

ヘッドバンド部にはブランドロゴ(左)。ケーブルは着脱式だ(右)

 なかでも特徴的なのが、ヘッドバンドの機構だ。回転することでフラット状態になり、便利に持ち運べるのに加えて、ヘッドバンドを2サイズ用意し、ユーザーのサイズに合わせてヘッドバンド自体を交換してしまう、という発想は面白い。ヘッドバンドの内側にはレザー製とおぼしきクッションパッドも用意され、こちらが多少伸び縮みすることで、ベストなポジションうまく固定される。なかなかに考えられた機構だ。ただ、そのスタイリッシュさ故に、耐久性に関してはどことなく繊細さを感じてしまうのも事実。長く使い続けたいのであれば、それなりに丁寧な扱いをしてあげた方が良いだろう。

ヘッドバンドはフラット状態になって持ち運びに便利(左)。ヘッドバンドが2サイズ付属しており、ユーザーが自分のサイズに合わせて交換できる。装着時にいちいち調節する必要のないスマートさがうれしい(中、右)


 逆に、とてもうれしい仕様といえるのが、着脱式のケーブルを採用している点だ。しかも、端子には、汎用性の高い2.5ミリ口径の通称“ステレオミニミニプラグ”を採用しているため、市販品の交換ケーブルも活用できるようになっている。耐久性での利点はもちろんのこと、さまざまなタイプに交換してみて、音質の違いを楽しめるのもいい。外出時には純正のApple製品対応のマイク付きリモコンケーブルを、室内で使うときは市販の長いケーブルと、シチュエーションによって使い分けるのもいいだろう。

 そのサウンドは、一言で表現するならば、音楽を情緒的に、ジェントルに表現しつつも、ボーカルやメイン楽器などの表現はしっかりと伝わってくる、といったイメージ。クリアな中高域と柔らかな広がりを持つ低域が組み合わせられていて、とても聴き心地が良い。

「Designed in Austria」の文字はAKGが深く関与した証拠

 一般的に低域が柔らかく広がると、中域のフォーカス感が妨げられがちになってしまうのだが、「CL」においては全くそんな気配がなく、フォーカルが、メイン楽器がクリアな音色で確かな存在感を主張する。しかも、高域に嫌なピークがなく、ひたすら聴き心地がいいのだから興味深い。

 そんな印象を抱きつつ、ふとヘッドフォンの細部を眺めてみると「Designed in Austria」の文字を発見。そう、こちらの製品、同じハーマンインターナショナルグループに属するヘッドフォンメーカー、AKGが作り上げたものなのだ。しかも、AKGサウンドのアドバンテージを保ちつつ、あくまでもハーマンカードンらしい演出が施されているから面白い。両社のいいとこ取りをしている、といった点では、なかなかに“おいしい”製品といえる。

低域のボリューム感が上がった「harman/kardon AE」

 一方のカナル型イヤフォン「AE」は、ヘッドフォンと同じくレクタングル(長方形)シェイプを基調としたデザインがあたえられ、ブラック&シルバーのツートーンカラーともあいまって、なかなかに落ち着いた、シックな印象を持つ。「AE」ならではのアルミ製ハウジングが、さらなる高級感を醸し出しているのも確かだ。

「harman/kardon AE」はアルミ製ハウジングを採用

 搭載されているドライバーは、9ミリ口径のダイナミック型。ケーブルには、ヘッドフォンと共通デザインのコントロール部が付属するが、直出しケーブルで着脱は不可であるなど、ごくオーソドックスな作りとなっている。

 基本的な音色傾向は、ヘッドフォンのCLと同じ。CLに対して多少低域のボリューム感が増し、メリハリも良くなっているため、多少元気の良さを感じるものの、クリアな中高域と、響きと広がりのよい低域をあわせたジェントルはほとんど変わらない。そういった意味では、ハーマンカードンらしさの演出はなかなかうまくいっていると感じた。

 逆に、9ミリ径という、あえて小さめのドライバーを採用したメリットがうまく表れているのだろう、ていねいなニュアンス表現と、キレの良いダイナミックさを併せ持っている点は、あまたある高級カナル型イヤフォンのなかでも、確かな存在感を示してくれることだろう。

音質評価 harman/kardon CL(harman/kardon HIGH-PERFORMANCE オンイヤーヘッドフォン)
解像度感 (粗い−−−○−きめ細かい)
空間表現 (ナロー−−−○−ワイド)
帯域バランス (低域強調−−○−−フラット)
音色傾向 (迫力重視−−−○−質感重視)

音質評価 harman/kardon AE(harman/kardon PREMIUM EXTENDED-BASS インイヤーヘッドフォン)
解像度感 (粗い−−−○−きめ細かい)
空間表現 (ナロー−−−○−ワイド)
帯域バランス (低域強調−−○−−フラット)
音色傾向 (迫力重視−−−○−質感重視)
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