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リアルタイムに情報を書き換える新ホログラム材料を開発、3D映像再生も可能に究極の3Dテレビ実現に向けて

» 2012年11月08日 22時07分 公開
[ITmedia]

 青山学院大学理工学部科学・生命科学科の阿部二朗教授、石井寛人研究員らは、JST課題達成型基礎研究の一環として、リアルタイムで物体の3次元情報を記録・再生可能な新しいホログラム材料の開発に成功した。

 空間に自然な3D画像を作り出すホログラフィーは、すでにクレジットカード等の偽造防止などに活用されている。光を当てると3D画像が浮かび上がるもので、展示やアート作品にも使われてきたが、動画再生を実現する材料開発が課題となっていた。

Photo 高速フォトクロミック化合物を応用した干渉縞の高速記録・消去

 今回の開発では、光を照射すると瞬時に着色し、光を遮ると速やかに無色に戻る高速フォトクロミック化合物を独自に開発。これを応用して、暗号をリアルタイムで記録・再生できるホログラム材料の開発に成功した。物体の動きに応じて古い情報が消失し、新しい情報がリアルタイムに記録されるため、3D映像の再生も可能になるという。

 またこの材料は大面積スクリーンにすることも可能であるため、新しいタイプの3D映像表示システムや光コンピュータ素子、エンターテインメントへの利用が期待される。なお、今回の研究成果は英国時間で11月7日にネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)が発行する「ScientificReports」で公開される。

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