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中身が違う音質強化モデル、ヤマハ「RX-V775」登場192kHz/24bit再生に対応

» 2013年04月25日 18時33分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 ヤマハは4月25日、AVアンプの新製品「RX-V775」を発表した。先に発表された下位モデルと同じく最大192kHz/24bitのPCM音源再生が可能になった上、先代「RX-V773」から内部構成を刷新した“音質強化モデル”だ。価格は9万2400円。ブラックとゴールドの2色を5月下旬に発売する。

ヤマハ「RX-V775」のブラックとゴールド

 「ハイレゾ時代を見据えて内部を刷新した」(同社)という7.1ch対応AVアンプ。全チャンネルに最新のバーブラウン製DAC(32bit処理)を採用したほか、デジタル/ビデオ/アナログオーディオ/表示系をそれぞれ独立させた4回路分離パワーサプライを採用。アナログ回路とデジタル回路の電源トランスを個別に搭載するなど、基板と電源回りを中心に基礎体力を高めた。

先代「RX-V773」(左)と「RX-V775」(右)の内部比較。一見して基板レイアウトが変わり、電源トランス回りがシンプルになっていることが分かる

アナログ回路用の電源トランス。左は「RX-V773」、右は「RX-V775」。電源トランスの周囲にあったサブ基板を排除し、いわゆる“直出し”で接点ロスを抑制。ローインピーダンス化とドライブ能力の向上を図った

DACの基板。従来は縦に配置されていたが、今回は横向きにしてDACまで配線距離を最短化。5つ並んでいる黒いチップがバーブラウン製のDACで、1チップで2chをカバーする。S/N比やチャンネルセパレーションの向上に一役買っている(左)。筐体の“ガワ”に制振ゴムをはるなど細かいチューニングも行った(右)

 大胆なレイアウト変更と細かいチューニングによって目指したのは、ワイドレンジな音。「低域の重心を下げ、締まった低域」にしながら、中高域のエネルギー感も増してバランスを取ったという。「新DACや電源まわりのロスを抑制した効果により、全体にS/N感が向上している。例えばボーカルとバックの音の分離が明らかに良くなった」(同社)。

AVENTAGEと同じ最新プログラム

 新たにMHL対応のフロントHDMI端子を装備。別売のBluetoothアダプター「YBA-11」を使ってワイヤレス再生にも対応するなど、スマートフォン/タブレット連携を強化した。

 ネットワークオーディオ機能では、192kHz/24bitまでのPCM音源(FLAC、WAV)の再生に対応。またiPod/iPhoneやPC内のITunesライブラリーに保存されている音楽コンテンツをワイヤレス再生できるアップルの「AirPlay」、インターネットラジオポータル「vTuner」にも対応した。もちろん同社のリモコンアプリ「AV CONTROLLER」によるコントロールもサポートした。

 独自の音場創生技術「シネマDSP〈3Dモード〉」は、音場に高さ方向のデータを加え、プレゼンスピーカーを使って立体的なサウンド空間を作り出す。また信号処理によってプレゼンススピーカーを仮想的に作り出す「VPS」(バーチャル・プレゼンス・スピーカー)と合わせることで、通常の7.1ch/5.1chのスピーカー構成でも〈3Dモード〉が活用できる。さらにVPSを利用して、映画などのセリフを画面中央前方に定位させる「ダイアログリフト」も備えた。

 「YPAO-R.S.C.」は、定評のあるYPAOに、部屋が持つ固有の初期反射音をより積極的に制御するように改良されたR.S.C(Reflected Sound Control)技術を加えたもの。最大8カ所のマルチポイント計測で調整制度を高める最新バージョンだ。

左は先代「RX-V773」、右は「RX-V775」で調整したフロントスピーカーの特性。YPAOがR.S.C.に対応したことで、従来よりダイナミックに補正していることが分かる。これは、上位モデル「AVENTAGE」シリーズ用に開発されたプログラムが下位モデルのRX-V775にも採用されたためだ

 HDMI端子は6入力/2出力。うち1入力をフロントパネルに配置し、MHLにも対応させた。また出力では4Kアップスケーリングおよび日本語対応OSD(オンスクリーンディスプレイ)を利用できる。アナログ映像入力は8系統(D端子1、コンポーネント2、コンポジット5)、音声入力はアナログ5系統とデジタル4系統(光2/同軸2)。そのほかにUSB端子やLAN端子などを備えた。

背面端子と付属のリモコン

 本体サイズは、435(幅)×171(高さ)×368(奥行き)ミリ。重量は10.5キログラム。リモコン、FM簡易アンテナ、AMループアンテナなどが付属する。

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