今回紹介する「Tokyo Edit」は、よくある普通の動画集とは一味違うユニークなアプリだ。そのコンセプトは「日常に潜むパラレルワールド」。起動すると東京メトロ日比谷線の各駅間のリストが並んでおり、「中目黒⇒恵比寿」、「恵比寿⇒広尾」、「広尾⇒六本木」と、中目黒から南千住まで一区間ごとに選択できるようになっている。
リストの中からどれか1つを選択すると、動画が再生される。地下鉄のプラットフォームでチャイムが鳴り響き、列車が次の駅へ向けて走り出したときの映像だ。もちろん地下鉄なので駅を出れば車窓の景色は真っ暗になり、なにも見えなくなるはずなのだが、このアプリではなんと車窓の景色が突然切り替わり、地上の景色が見えてくる。
この景色は、地下鉄の列車と同じように地上で移動した場合に見える風景だ。例えば仲御徒町駅から上野駅までの区間は、地下鉄は国道4号の真下を首都高の高架に沿って進む。このアプリでも、同じように国道4号を進んだときに見える景色を収録している。
景色は地上のものだが、車内のアナウンスなどは地下鉄の車内で流されるものがそのまま使われており、目を閉じて音だけ聞いていれば地下鉄の車内にいるような気分になる。ところが目を開けるとそこには地上の景色が見えるので、実に不思議な気分になる。
そのまま見ていると列車は次の駅に到着する。到着する少し前に車窓の景色は再び地下鉄から撮影したものに戻り、列車はプラットフォームに到着。そのまま動画は終了する。各区間の動画は端末にダウンロードしてオフラインで閲覧することも可能だ。
アプリの内容としてはこれだけなのだが、映像そのものに不思議な魅力があるので何度でも見返したくなる。できれば日比谷線以外の区間の映像も追加して、収録内容を充実させてほしいところだ。自分がよく乗る区間の映像を見れば、きっと「地上にはこんなものがあったのか」と新たな発見があると思う。
なお、この「Tokyo Edit」にはスマートフォン向けアプリのほか、Webサイト(http://www.tokyoedit.com/)も用意されているので、PCからでも映像を楽しめる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR