バッファローは、米PacketVideoと共同でDSD(Direct Stream Digital)をDLNA仕様に準拠した方式で配信できるNASを開発した。2.8MHzおよび5.6MHzのDSF/DSFFファイルをサポートする。年内に発売する自社製NASに順次DSD配信機能を搭載するほか、オーディオメーカー各社に同機能の採用を働きかけていく。
DSD(Direct Stream Digital)は、1999年に登場した1bit方式オーディオフォーマット。SACDに採用されたほか、近年ではハイレゾ音源の1つとしてオトトイの「OTOTY」やオンキヨーエンタテインメントテクノロジーの「e-onkyo music」でも音源が販売されている。ただし、これまでは対応するUSB DACやAVアンプ(USB端子経由)など、一部の機器でしか再生できなかった。
バッファローは、「ネットワーク機器メーカーの視点から、この課題に着目していた」としており、米PacketVideoと共同で従来のDLNAガイドラインに沿ったままDSDファイルの伝送を可能にする技術を開発。試作機をオーディオメーカー各社に提供して相互接続検証をサポートするなど、DSD再生機能の採用を支援していく。
バッファローでは、5月9日から独ミュンヘンで開催されるオーディオ業界の見本市「HIGH END 2013」のBUFFALO TECHNOLOGYブースで実際にDSDのネットワーク再生をデモンストレーションする。同社製NAS「LinkStation」から2.8MHzのDSFファイルをDLNA方式で配信し、パイオニアのAVアンプ「SC-LX86」で再生する予定だ。
なお、デモに使われるSC-LX86は特別な改造を加えたものではない。パイオニアによると、SC-LX86は“特定の条件下”でDSDのDLNA再生が行えることが確認されており、今回のデモンストレーションはそれを応用するという。ただし、現状ではあくまでもサポート外の使い方になるため、パイオニアでは「今後、当社でも動作確認を行う予定ですが、現状では動作保証、また不具合が起きた時の対応についてはサポートを致しかねます。詳細、お問い合わせはバッファローさんにお尋ねください」とコメントしている。
一方、DSDのDLNA再生に正式対応したプレーヤーも6月には登場する見通しだ。高級オーディオメーカーのスフォルツァートが発表した新型ネットワークオーディオプレーヤー「DSP-03」は、バッファローとパケットビデオの技術に対応した製品の第1号。価格は68万円となる。当初はDSFの2.8MHz/5.6MHzのみをサポートし、DIFFには後日ソフトウェアアップデートで対応する予定だ。
バッファローとスフォルツァートは、5月11日に開催される「春のヘッドフォン祭 2013」内のイベント「使い方もフレンドリーになった最新のネットワークプレーヤーを聴いてみよう」で、「LinkStation」と「DSP-03」によるDSDネットワーク再生のデモンストレーションを行う。
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