同時発表の「VPL-VW1100ES」が従来機「VPL-VW1000ES」のボディーをそのまま使用しているのに対し、「VPL-VW500ES」はそのデザインエッセンスを受け継ぎながら容積比で33%という大幅な小型化を実現した。中でも奥行きは、VPL-VW1000ESの640ミリから463.6ミリへと大幅ダウン。重さも20キログラムから14キログラムとなり、設置時の柔軟性を向上させている。
サイズダウンできた理由は、光源ランプを筐体内で横向きに配置し、プリズムを使って90度曲げる構造を採用したこと。ランプとレンズを直線配置している上位機に対し、奥行きを大幅に短くできる。同時に吸排気設計も見直し、背面には吸気口のみを配置して「後ろにスペースがない、壁に近い位置にも設置できるようにした」(同社)。なお、前面の両サイドに設けられた排気口は、外側に向いたフィンがついており、熱気を帯びた排気が映像に影響しないよう配慮されている。
電動レンズシフトも範囲を拡大。左右31%と下方向の80%は変わらないものの、上方向は従来の80%から85%へと広げている。「85%は4Kの映像に影響しないギリギリの線。設置時に5%の違いは意外と大きい」という。本体の小型化と吸排気設計も合わせ、6畳間でも100インチ級のスクリーンに投映できるとしている。
レンズは、プラスチックレンズ1枚とガラスレンズ13枚を組み合わせたもので、総重量は0.9キログラムと上位機の半分以下に抑えた。「価格を抑えられた大きな理由はレンズだ。VPL-VW1000/1100ESでは、ガラスレンズのみ18枚で構成されているが、VPL-VW1000登場から2年が経過してプラスチックレンズもかなり進化した」(同社)。今回のプラスチックレンズは、非球面レンズにフッ素コーティングを施したもの。またVPL-VW500ESではレンズの電動カバーも省かれているが、「ふたなしでもホコリがつきにくい」仕様だという。
もう1つの大きなアップデートが「オートキャリブレーション」機能だ。プロジェクターの光源ランプは、使用時間の経過により色バランスのズレが発生する(緑がかってくるケースが多い)が、VPL-VW500ESではオンスクリーンメニューから「オートキャリブレーション」の「調整」を選択するだけで、レンズ後方に内蔵したカラーセンサーが光をチェックし、ホワイトバランスや色域を自動修正する。他社製品が採用しているガンマ補正はできないが、PC用の無料ソフト「Image Director 3」で行える。チェックにかかる時間は数分。なお「オートキャリブレーションは1000時間(使用時間)を目安に実行してほしい。ただし、ランプが暖まってからでないと正確にチェックできないため、30分間ほど使用した後で実行することをおすすめしたい」(同社)。
このほか、3D表示のメガネ同期はBluetooth方式に変更され、信号受信範囲の拡大と接続時の安定性向上に寄与している。また「フルHDグラス・イニシアチブ」の共通規格に対応しているため、同規格対応であれば他社製品も利用できるという。一方、光源ランプも新開発の265ワット高圧水銀ランプ(従来は300ワット)に変わっており、交換用ランプとして「LMP-H260」が11月15日に発売される予定だ。価格は4万9875円。
| 型番 | VPL-VW500 | VPL-VW1100 | VPL-VW1000(参考) |
|---|---|---|---|
| パネル | 4K SXRD(4096×2160ピクセル) | ||
| リアリティークリエーション | ◎(Mastered in 4K対応 | ○ | |
| 4K/60p対応 | ○ | × | |
| 輝度 | 1700ルーメン | 2000ルーメン | |
| 光源ランプ | 265ワット | 300ワット | |
| レンズ | プラスチックレンズ1枚、ガラスレンズ13枚 | ガラスレンズ18枚 | |
| コントラスト | 20万:1 | 100万:1 | |
| DCI色域 | × | ○ | |
| オートキャリブレーション | ○ | × | |
| オートシャッター | × | ○ | |
| 3Dメガネ | Bluetooth方式 | 赤外線方式 | |
| 外形寸法 | 495.6(幅)×195.3(高さ)×463.6(奥行き)ミリ | 520(幅)×200(高さ)×640(奥行き)ミリ | |
| 重量 | 14キログラム | 20キログラム | |
| 価格 | 84万円 | 178万5000円 | ー |
| 発売日 | 11月15日 | 12月5日 | ー |
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