好調の「クアトロン プロ」――シャープが展開するランクアップ作戦とは?
シャープは3月26日、“AQUOSクアトロン プロ”「XL10シリーズ」の好調さと、その販売戦略を報道関係者に説明した。登壇したのは、国内のテレビ営業部門を統括するデジタル情報家電事業本部の居石勘資氏。緩やかな回復基調にある国内のテレビ市場で“買い替え”と“置きかえ”を進めており、実際に効果を上げているという。
国内のテレビ市場は、2011年のアナログ停波とそれに先立つエコポイント特需による需要の先食いが影響し、長らく低迷している。居石氏は、1984年度から2014年度までの出荷台数(出典はJEITA)グラフを示し、国内のテレビ基本需要は900万台前後であると指摘。アナログ停波後の2012年度以降は、ようやく500万台を超えるレベルの低空飛行が続いていたが、2013年5月は実に2年と2カ月ぶりに前年同月の数字を上回り、2014年2月には前年同月比で145.2%を記録するなど、「基本需要である900万台に向け、緩やかな回復基調にある」という。
同社が注目しているのは、「買い替え需要」と「置き替え需要」の2つだ。まず買い替え需要は、薄型テレビの平均寿命とされる7.9年(内閣府調査)から、2005年前後にテレビを購入した人たちの買い替えが今後増えてくると予測。2004年から2006年に販売された約2700万台がターゲットになる。また、この時期はブラウン管から薄型テレビへの移行期。薄型テレビも3年間で約1470万が販売されていることから、「今後は、薄型テレビから薄型テレビへの買い替えも本格化する」と予測する。
一方の「置き替え需要」は、アナログ停波前後の混乱の中、否応なくテレビを買い替えなければならなかったケースだ。居石氏は、「2009年からの3年間では、(当時としても小型の)32V型が約2100万台も売れた。潜在的には違うタイプがいいと思っているかもしれない」と指摘。同社では、この2つの需要を柱として、900万台市場の復活を目指し、さまざまなアプローチを展開している。
「2倍の法則」に「サイズアップ」「ランクアップ」
まず店頭でシャープが提案しているのは、画面の面積が「2倍以上」となる“サイズアップ”だ。「画面面積が2倍になると感動は2倍以上。例えば2005年に発売されたフルHDパネル搭載機『37GE2』は37V型だが、買い替えには60V型を提案する」。さらに「サイズアップを検討するなら、映像の細かさを合わせて提案して見やすさも向上させる」というように、段階を踏んで上位モデルへの“ランクアップ”も提案する2段構えの戦略になっている。
同社が昨年末に投入した“AQUOSクアトロンプロ”の「XL10シリーズ」は、“4K相当”をうたう精細感が特長。またネイチャーテクノロジーを活用して映り込みを抑える「モスアイパネル」、2.1chフロントサラウンドといった特長もあり、「使用中のテレビからの“進化”をしっかりと伝えられるモデルだ」という。
「とくに奥様方には映り込みの少ないモスアイパネルが人気だ。精細感だけでは購入に至らなくても、音や映り込み防止など、製品に納得する部分がいくつもあると購入に踏み切る」(居石氏)。
事実、従来機にあたる「XL9シリーズ」発売時と比べると、同じ期間での累計販売台数は約2倍、直近1カ月(3月1日~23日)では約2.2倍の販売台数を記録した。もちろん4月の消費増税を前にした駆け込み需要という面も大きいが、46V型から80V型までの5サイズのうち、一番の売れ筋は60V型で、次が52V型と“サイズアップ”が着実に進んでいることがうかがえる。
さらに、45インチ以上の大型テレビに限ると、XL10シリーズ(4K相当)と4Kモデルをあわせた「高精細モデル」の台数構成比は15.8%まで拡大し、金額構成比では42.2%を占めた。これも目論見通りの“ランクアップ”に成功している証拠だ。なお、より大きな70V型になると4Kモデルを選ぶ傾向が強く、店頭での指名買いでは精細感の高い46V型が人気だという。どちらのサイズも昨年末に比べて2倍以上の販売台数を記録している。
「今後も60V型をメインに訴求していく。(消費増税の)駆け込み需要の反動も予想されるマーケットだが、満足度の高い商品を届けることで反動減を吹き飛ばしていきたい。この春は、年間900万台マーケット回復に向けた試金石だと考えている」(居石氏)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「菜の花がおかしい」――イラストレーター制作うたうマラソン大会ポスターに指摘相次ぐ 事務局がAI使用明かす【訂正あり】
-
2
iPhone 18シリーズ発表、今年はPro・Pro Maxのみ なんと“無印”なし 価格は21万9800円から
-
3
幻の「ちいかわ」コラボ第3弾皿、捨てちゃうの? くら寿司に聞いてみた
-
4
「iPhone Duo」発表 Apple初の折りたたみスマホ 36万4800円から
-
5
「ランジェリーパープルじゃない」「買おうと思ってたのに」 iPhone 18 Pro/Pro Maxの色に落胆の声
-
6
「ペンギンを返して」 Suica新キャラ候補3案公開でSNSに戸惑いの声 一般投票は8日から
-
7
藤井風のリサイタル、公式サイトがインターネット老人会すぎると話題 公民館のチラシみたいだけど東京ドーム開催
-
8
スーパーでおなじみ「呼び込み君」に新型 26年越しの“新曲”も配信
-
9
「ペンギンを返して」→「3匹全部採用して」 批判殺到のSuica新キャラ、ファンアートが空気を変えた? SNSの声
-
10
「iPhone Duo」純正ケース話題、「面白いけど高い」……1万4800円と2万4800円
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR