特殊なメガネをかけなくても自然な立体映像を楽しめる電子ホログラフィーによる“立体テレビ”実現に向けて要素技術開発がまた一歩前進した。NHKは5月22日、電子ホログラフィー実現の要素である、「干渉縞を表示する空間光変調器(SLM:Spatial Light Modulator)の光変調素子をトランジスターで駆動する技術」を開発したと発表した。今回の開発で、アクティブ・マトリクス駆動で超多素子化が可能となり、立体像の動画を表示できる将来の超多素子SLM の実現に向けて大きく前進したという。
NHKは2012年5月に、電子スピンを利用した一次元配列のスピンSLMを開発していたが、
立体像を動画表示するために、光変調素子を二次元に並べての駆動や、それぞれを正確かつ高速に駆動する技術の開発、さらに低消費電力化に向けて駆動に必要な電流を低減することなどが課題だった。今回、駆動電流の低減を図った光変調素子を用いて、素子ごとにトランジスターを配置することで正確かつ高速に各素子を駆動できるアクティブ・マトリクス方式による二次元スピンSLMの試作に世界で初めて成功したという。
研究成果は、5月29日から6月1日に開催する「技研公開2014」で見学できる。
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