計測は自宅マンションの一室で行った。暗騒音(何も動かさずに計測した部屋の騒音値)は33dBと一般的な数字。ここで「AM01」と「AM06」をほぼ同じ条件で動かし、1メートルほどの距離を開けて直接マイクに風が当たらない場所に騒音計を固定した。“ほぼ”と書いたのは、AM01とAM06で風量調整の仕組みが異なるため。AM06は1〜10段階のデジタル式となっているため分かりやすいが、AM01はツマミを回すだけのアナログ的な調整方法で、最小値と最大値以外はどうしても目分量になってしまう。
実際に計測していくと「風量1」(AM01は最小風量)のときだけ「AM06」のほうが若干高い数値が出たものの、それ以上の風量では数dBずつ小さい値となった。6dBの差があると2倍の騒音を出していることになるため、少なくとも「最大75%の静音化」というダイソンのうたい文句にウソはないことが分かる。
AM01 | AM06 | |
---|---|---|
オフ | 33dB(暗騒音) | |
風量1 | 33.7dB | 34.7dB |
風量2 | 36.4dB | 35.5dB |
風量3 | 44.3dB | 38.4dB |
風量4 | 45.1dB | 42.7dB |
風量5 | 51.5dB | 43.5dB |
風量6 | 52.8dB | 44.4dB |
風量7 | 53.7dB | 47.0dB |
風量8 | 56.0dB | 48.6dB |
風量9 | 57.7dB | 50.0dB |
風量10 | 58.7dB | 51.3dB |
さらに周波数測定も試みた。今回はiPhoneのマイクとフリーの計測アプリ(ETANIのASA mini)を使った簡易的な測定だったが、同条件で計測した「AM01」と「AM06」のグラフには一目で分かる差が出た。
「AM01」ではなだらかな山を描いているが、「AM06」では上のほうを削ったような形に見える。AM06ではノイズを1000Hz周辺に集めてヘルムホルツ式空洞で吸収すると書いたが、スペクトラム・アナライザーの結果はそれを裏付けているようだ。
今回は新製品の「AM06」が静かになったことを視覚的に表現してみたが、実際は横並びで聴き比べると違いはすぐに分かる。製品のサイズや形状はほとんど変わっていないのに、ここまでの差が出たことはちょっとした驚きだ。店頭で旧機種が並んでいることは少ないと思うが、機会があれば試していただきたい。
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