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野菜を眠らせて鮮度を保つ!? 日立冷蔵庫の「スリープ野菜」

» 2014年07月23日 17時17分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 日立アプライアンスは7月23日、冷蔵庫「真空チルド」の新製品3シリーズ11モデルを発表した。独自の「スリープ野菜」を新搭載。葉物野菜を中心に鮮度と栄養素を長持ちさせるという。 

最大670リットルの容量を持つ最上位モデル「Xシリーズ」。左からグラデーションが美しい「グラデーションマグノリア」、ほぼ鏡張りの「クリスタルミラー」、和風インテリアにも合う「クリスタルシャンパン」

 スリープ野菜は、真空チルドで開発した「スリープ保存」技術を応用したもの。スリープ保存は、光触媒を使ってニオイやエチレンガスを分解する技術で、従来は肉や魚を主なターゲットにしていたのに対し、今回は野菜室に採用した。

スリープ保存技術の概要。業務用冷蔵庫でも炭酸ガスを使って長期保存する手法(CA貯蔵)があるという

 新製品の野菜室は2段構造になっており、このうち下段のケースが「スリープ野菜スペース」だ。側面に光触媒を設置し、冷蔵庫本体から照射されるLED光で野菜が放出するエチレンガスやニオイ、水分子を炭酸ガスに分解。スペース内の炭酸ガス濃度が上がると野菜の呼吸が抑制され、劣化作用も抑えられるという仕組みだ。

「スリープ野菜」の技術概要

発表会では1時間前に電源を入れた庫内の炭酸ガス濃度を比較する実験が行われた。通常の野菜室が812ppmだったのに対し、スリープ野菜スペースでは1546ppmと倍近い数字を出した(左)。小松菜での比較は一目瞭然(右)

 同社によると、技術的なポイントは、炭酸ガスの濃度を高める密閉度の高い構造だったという。スリープ野菜スペースには使い勝手も考慮したロック機構を設け、上段ケースを開ける動作でロックが自動的に解除される仕組みにした。閉めるときも同様に引き出しを戻すだけでロック完了だ。

野菜室を上から見たところ(左)。側面から見たカットモデル(右)。なお、エチレンガスを多く放出するりんごなどは、スリープ野菜スペースではなく、野菜室上段に入れることがオススメだという

 また庫内を適切な湿度に保つため、アルミパネルに余分な水分を結露させ、それを庫内の冷気で気化させる蒸散ボードを設けた。余計な水分は外に放出して結露を防ぎつつ、庫内を高い湿度に保つ機構だ。

うるおいユニットの概要と分解モデル。けっこう大きい

 同社の検証によると、スリープ野菜スペースと従来の「うるおい野菜室」(2013年モデルのR-G67000D)に7日間保存したチンゲンサイは、水分残存量が13%アップ。小松菜も4%アップして乾燥抑制効果が証明されたという。また、5年前の同社製品との比較(うるおい野菜室なし)では、ビタミンC残存量がチンゲンサイで17%、ブロッコリーでは約21%も向上したという。

検証結果

 一方の真空チルドには新たに抗酸化成分のビタミンEを加えた「抗酸化フレッシュカセット」を装備。ビタミンEが肉や魚の栄養素よりも先に酸化することで庫内の酸素を減らし、食品の鮮度を保つ。

「抗酸化フレッシュカセット」の役割と現物

「ハイブリッド除霜システム」の概要と効果

 また最上位モデルの「Xシリーズ」には、赤のグラデーションが美しい「グラデーションマグノリア」、ほぼ鏡張りの「クリスタルミラー」、和風インテリアにも合う「クリスタルシャンパン」といった新色を採用。高級感を演出した。

 新しい真空チルドは、9月4日から順次発売する予定。価格はすべてオープンプライスで、店頭では「Xシリーズ」の670リットル(庫内容量)モデル「R-X6700E」が42万円前後、517リットルモデル「R-X5200E」が34万円前後などとなっている。

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