日立アプライアンスは7月23日、冷蔵庫「真空チルド」の新製品3シリーズ11モデルを発表した。独自の「スリープ野菜」を新搭載。葉物野菜を中心に鮮度と栄養素を長持ちさせるという。
スリープ野菜は、真空チルドで開発した「スリープ保存」技術を応用したもの。スリープ保存は、光触媒を使ってニオイやエチレンガスを分解する技術で、従来は肉や魚を主なターゲットにしていたのに対し、今回は野菜室に採用した。
新製品の野菜室は2段構造になっており、このうち下段のケースが「スリープ野菜スペース」だ。側面に光触媒を設置し、冷蔵庫本体から照射されるLED光で野菜が放出するエチレンガスやニオイ、水分子を炭酸ガスに分解。スペース内の炭酸ガス濃度が上がると野菜の呼吸が抑制され、劣化作用も抑えられるという仕組みだ。
同社によると、技術的なポイントは、炭酸ガスの濃度を高める密閉度の高い構造だったという。スリープ野菜スペースには使い勝手も考慮したロック機構を設け、上段ケースを開ける動作でロックが自動的に解除される仕組みにした。閉めるときも同様に引き出しを戻すだけでロック完了だ。
また庫内を適切な湿度に保つため、アルミパネルに余分な水分を結露させ、それを庫内の冷気で気化させる蒸散ボードを設けた。余計な水分は外に放出して結露を防ぎつつ、庫内を高い湿度に保つ機構だ。
同社の検証によると、スリープ野菜スペースと従来の「うるおい野菜室」(2013年モデルのR-G67000D)に7日間保存したチンゲンサイは、水分残存量が13%アップ。小松菜も4%アップして乾燥抑制効果が証明されたという。また、5年前の同社製品との比較(うるおい野菜室なし)では、ビタミンC残存量がチンゲンサイで17%、ブロッコリーでは約21%も向上したという。
一方の真空チルドには新たに抗酸化成分のビタミンEを加えた「抗酸化フレッシュカセット」を装備。ビタミンEが肉や魚の栄養素よりも先に酸化することで庫内の酸素を減らし、食品の鮮度を保つ。
また最上位モデルの「Xシリーズ」には、赤のグラデーションが美しい「グラデーションマグノリア」、ほぼ鏡張りの「クリスタルミラー」、和風インテリアにも合う「クリスタルシャンパン」といった新色を採用。高級感を演出した。
新しい真空チルドは、9月4日から順次発売する予定。価格はすべてオープンプライスで、店頭では「Xシリーズ」の670リットル(庫内容量)モデル「R-X6700E」が42万円前後、517リットルモデル「R-X5200E」が34万円前後などとなっている。
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