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そり残しゼロへの挑戦――フィリップスが電気シェーバーのフラグシップモデル「9000シリーズ」を投入

» 2014年08月20日 21時15分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 フィリップス エレクトロニクス ジャパンは8月20日、電気シェーバーの新製品「9000シリーズ」5機種を発表した。2010年の「センソタッチ3Dシリーズ」以来、4年ぶりとなるフラグシップモデルの新製品。9月上旬から全国の家電量販店や通販などで販売を開始する。

「9000シリーズ」の最上位モデル「S9711/33」。3つのシェービングヘッドを持つ回転式シェーバーだ

本体はIPX7準拠の防水設計。細身でグリップしやすい

 シェーバーには、ヘッドを前後に動かす「往復式」と、フィリップス製品のような「回転式」の2種類がある。回転式のメリットは、ヘッドをさまざまな方向に動かせるため効率的にひげをそることができること。また内刃が一方向にしか動かないため、同社製品では常に内刃を自動研磨している状態となり、メンテナンス性とコストパフォーマンスに優れるという。

 さらに新製品の「9000シリーズ」では、今まで以上に国内ユーザーのニーズを研究した。同社調査によると、日本のユーザーがシェーバーに求めるのは、「肌への優しさ」「そり残しが少ないこと」、そして「深ぞり性能」。しかし深ぞりを追求すれば、肌へのダメージも大きくなりがちだ。相反するニーズに応えるため、同社では新技術を採用したシェービングヘッドを開発したという。同社コンシューマーライフスタイル事業部のマーケティングマネージャーを務める藤井崇雅氏は、「徹底したローカライズにより、回転式シェーバーを日本市場のスタンダードにする」と意気込む。

ユーザー調査結果(左)。8方向に可動するヘッド(右)

 まずは、そり残し対策。従来機は3つのシェービングヘッドがそれぞれ可動して肌への密着度を高める仕組みだが、今回はさらに各ヘッドの外刃も上下に動き、肌の傾斜に合わせて“浮き沈み”するようになった。これにより「吸い付くように」肌に密着し、従来機に比べてワンストロークで最大20%も多くひげをカットできるという。

 一方、外刃はスリット部をV字型(かぎ爪状)に変え、実際にひげをカットする内刃もV字型に改良した。「ハサミを思い浮かべると分かりやすいが、V字型の真ん中が切れ味がいい。ひげを逃さず捉え、確実にカットできる」(藤井氏)。このほか、刃の枚数も従来の21枚から24枚へ増強。外刃の厚みも改良し、従来機と比べて深ぞり性能は最大30%向上したという。

外刃と内刃をV字型にすることで深ぞりを実現

シェービングヘッドのアップ。V字型の外刃が見える(左)。回転数を3段階で調整できる「パーソナルコンフォート設定」も搭載。「ハイスピードモード」なら2300回転/分になる(右)

 一方、肌への負担を軽減する機能として、モーターの回転数を3段階から選択できる「パーソナルコンフォート設定」がある。例えば、ひげの濃い人や忙しい朝は高速回転の「ハイスピードモード」、逆に肌荒れなどがある場合は回転数を落とした「センシティブモード」を選べばいい。

 一部機種に同梱(どうこん)される洗浄充電スタンド「スマートクリーンシステム」は、シンプルな円形デザインで、日本の住環境に合わせて従来機より一回り小さくした。本体をセットしてボタンを押せば、洗浄から潤滑化、乾燥、充電までを全自動で行う。洗浄液は、新たにカートリッジ式を採用。このカートリッジ内に2つのフィルターを搭載し、ひげくずやジェル、泡フォームなどの汚れも取り除く。

「スマートクリーンシステム」と専用の洗浄液カートリッジ。これまでのように洗浄液をそそぐ手間がいらない

 9000シリーズは、「パーソナルコンフォート設定」や「スマートクリーンシステム」の有無、付属品、液晶表示部の違いなどにより5機種をラインアップ。すべてオープンプライスとなっているが、店頭では2万5800円〜5万1800円になる見込みだ。

パープルの「S9521」(左)とレッドの「S9151」(右)

型番 S9711/33 S9521/26 S9151/26 S9521/12 S9151/12
パーソナルコンフォート設定 なし なし
スマートクリーンシステム なし
デジタル表示 5段階LED表示 5段階LED表示 3段階LED表示 5段階LED表示 3段階LED表示
カラー ブラック パープル レッド パープル レッド
実売想定価格 5万1800円 4万800円 3万800円 3万5800円 2万5800円

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