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ゼンハイザー設立70周年、伝説的なヘッドフォンシステム「オルフェウス」復活へ

» 2015年10月08日 20時08分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 ゼンハイザーは10月8日、同社の設立70周年を記念するライブイベントを東京・六本木で開催した。来日した独Sennheiserのダニエル・ゼンハイザーCEOは、1945の創業時から現在までを振り返り、「完璧なサウンドの追求と、それがもたらす成功はわれわれだけのものではない。ユーザーの皆さんのおかげだ」とあいさつ。さらに「次の大きなマイルストーン」として、特別な新製品をお披露目した。

ダニエル・ゼンハイザーCEO

 ゼンハイザー氏がボタンに触れると、大理石の土台のように見えた部分からボリュームやセレクターと思われるノブがゆっくりと前にせり出してきた。さらに上部から8本の真空管を収めた筒が現れ、最後に黒い箱のフタが開く。中には大柄なヘッドフォンが格納されている。専用のヘッドフォンを持つ真空管アンプシステムだ。

動きを見守るゼンハイザー氏

 製品名は、一応「未定」(ゼンハイザージャパン)だが、背面には「Orpheus」(オルフェウス)の文字が刻まれている。同社が「世界最高の音」を目指して1991年に発売した伝説的なヘッドフォン・システムと同じ名称だ。外観は大きく異なるが、コンセプトを共有する後継機と位置づけられるだろう。

「Orpheus」(オルフェウス)は、同社が1991年に発表した伝説的なヘッドフォン・システム。真空管ヘッドフォンアンプと専用ヘッドフォンをセットにして「世界最高の音」を目指した(出典はゼンハイザージャパン)

 発売時期や価格はもちろん、使用する真空管などを含めて詳細はすべて未定。公表されたのは、外観はほぼ確定ということと、開放型のコンデンサーヘッドフォンであること。そして、大理石で作られた筐体が「とにかく重い」(運搬したスタッフ)ということくらいだ。

 背面を見ると、デジタル入力としてUSBと同軸、光の3系統があり、現代風にUSB-DAC機能を内蔵していることが伺える。またアナログ入力と出力はそれぞれバランスとアンバランスを備えていた。

電源オフ時
電源を入れるとノブや真空管が出てくる
ほんのりオレンジ色に光る真空管
ヘッドフォン部
ハウジングはかなり大柄
ヘッドフォン出力は箱の中と背面にある

 はたして「70周年記念モデル」としてオルフェウスが復活するのか。ダニエル・ゼンハイザー氏は、同製品について多くを語らなかったが、「常に最高を求める皆さんの要求が、われわれを前へ前へと動かす」と話していた。

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