ダイソンは4月27日、同社初の美容家電となる「Dyson Supersonicヘアードライヤー」を発表した。世界に先駆け、翌28日からダイソンの旗艦店「Dyson 表参道」で販売するほか、5月11日からは全国の量販店など200店舗に順次展開する。価格は4万5000円(税別)。
“羽根のない扇風機”で知られる「Air Multiplier」(エアマルチプライアー)技術を応用したドライヤー。狭い隙間から空気を高速で送り出すと、シート状になった空気が周囲の空気を巻き込んで風量が増す“誘引”と呼ばれる現象を利用した。ドライヤーの場合、モーターが送り込んだ空気の3倍に風量を増すという。
モーターは、新開発の「DDM(ダイソン デジタルモーター) V9」。手のひらサイズの小型軽量モーターでありながら、毎分最大11万回転を実現した。回転軸に取り付けられた羽根(インペラー)は500円玉サイズで、毎秒13L(リットル)の空気を送り出す。「一般的なドライヤーのモーターと比べると8倍の高速回転だが、モーターの重量は約半分。このような高速モーターを作っているのはダイソンだけだ」(ダイソン氏)
風量と温風の温度は、それぞれ3段階(温風オフを入れると4段階)で調節できる。髪のブローには一定の熱が必要だが、過度の熱によって髪がダメージを受ける恐れもあるため、適切な範囲の温風で素早く乾かすことが重要だ。「Dyson Supersonicヘアードライヤー」の場合、ガラス球サーミスターと呼ばれる温度センサーが毎秒20回も温度を計測し、それを元に内蔵のマイクロプロセッサが温度を制御。温風は78度以上にはならない。
発表会でデモンストレーションを担当したヘアーメイクアップ・アーティストの加茂克也氏は、「一般的なドライヤーと同じ1200Wでありながら、3600Wのプロ用ドライヤーよりも風量がある」と指摘。「風だけで地肌が見えるほど風圧も高い。素早く髪を乾かせるうえ、髪の根元のクセを取るにもいい」(加茂氏)
さらにマイナスイオンを発生する機能も装備。「マイナスイオンは髪を保湿してくれると信じている方も多いと思うが、実際の効果は静電気を抑え、髪のまとまりをよくすることだ」(加茂氏)
一方、実際に髪を乾かしてもらったモデルの女性は、「これまでのドライヤーは熱く、髪のダメージが心配だったが、今は熱さを感じない。また風量が強いので乾きも早い。普通のドライヤーでは髪を乾かすのに15分程度かかっていたが、ダイソンなら10分弱。朝の数分間は大きい」と話していた。
付属のノズルは3種類。「スムージングノズル」は、風量を弱め、滑らかな風になるため、手ぐしで髪を乾かす際に便利だ。また細身の「スタイリングコンセントレーター」は、ブラシでブローする際、狙った場所に風を集めることができる。そして大柄な「ディフューザー」は、カールやパーマをかけた髪用。風を均一に分散させ、ふんわりとブローする。これらのノズルは、マグネットによって本体に装着する仕組み。ワンタッチで着脱できるほか、使用中も簡単に向きを変えられる。
もう1つ、ジェームズ・ダイソン氏が重要なポイントとして挙げたのは、ドライヤーの駆動音を抑えた点だ。「静かなヘアドライヤーの良いところは、ヘアサロンでお客と普通に会話できること。家庭でも奥さんが髪を乾かしながらあなたと話せる。Dyson Supersonicヘアードライヤーは、静かでありながら髪にダメージを与えにくい」(同氏)
本体の外形寸法は、245(高さ)×78(幅)×97(奥行き)mm、重量は618g。カラーは「アイアン/フューシャ」と「ホワイト/シルバー」の2種類となっている。
なお、直販限定モデルとして、ジェームズ・ダイソン氏がデザインしたレザーボックスが付属するパッケージも用意している。こちらは「Dyson表参道」とダイソンジャパン公式オンラインストアで4月28日から販売する予定だ。価格は5万5000円(税別)。
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