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「春のヘッドフォン祭2016」に突如現れた「Head-Fi Japan」とは?――世界最大のヘッドフォンコミュニティとその展望(3/3 ページ)

» 2016年05月20日 12時53分 公開
[島幸太郎ITmedia]
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パーソナルオーディオ特化型オーディオ・ショー「CanJam」日本開催の可能性は?

――「Head-Fi」では今年からグローバル路線を打ち出しており、特にパーソナルオーディオを主軸とした「CanJam」というオーディオ・ショーを世界各国で開催しています。日本でも「CanJam」を開催する予定はあるのでしょうか

昨年から世界各国で開催されているヘッドフォン・イヤフォン特化型のオーディオ・ショー「CanJam」の公式サイト。主要な海外メーカーが多数出展している

Mansilla氏:正直に申し上げると、まったくその予定はありません。フジヤエービックさんや「e☆イヤホン」さん(会社名はタイムマシン)といった非常に大きな主催者がいます。CanJamはもともと日本のヘッドフォン祭にインスピレーション受けて構想されたものです。もちろん、ヘッドフォン祭のようなショーがない国や地域でCanJamのようなショーを行うことは、さまざまなメーカーが一堂に会するきっかけを作るという意味で非常に重要ですが、日本のようにすでに大きなショーがある国では、あえてCanJamを開催する必要性を感じませんし、メーカーの助けになるとも思えません。われわれはあくまでビジターとして参加するのが適切だと思います。私はフジヤエービックさんもe☆イヤホンさんも、とても尊敬していますし、こうしたショーを主催することについても、大変な敬意を持っています。


「Head-Fi」の創設者Jude Mansilla氏は、インタビュー中も終始日本のメーカー・販売店・そしてユーザーへの敬意を欠かさず、また「Head-Fi Japan」を単なる日本向けローカライズに終わらせないと意欲を見せていた。ヘッドフォン/イヤフォンに代表されるパーソナルオーディオ分野において、今後も素晴らしいユーザー・エクスペリエンスを実現する製品が登場することを大変楽しみにしているという。製品について話をするときの彼の笑顔は大変印象的で、インタビューを通じてこうした彼の“熱量”の高さが海外での「Head-Fi」成功の最大の要因ではないかと思える。日本でもよい形で「Head-Fi」がスタートすることを期待したい。

著者:島 幸太郎

エミライ取締役。OPPO Digital Japanマーケティング・ディレクター。エミライでは音響・映像関連製品の経営企画と広報を、OPPO Digital Japanではマーケティングを主に担当。コンシューマー向け音響機器、特にPCオーディオ、ネットワークオーディオ、デジタルオーディオ分野が趣味であり得意分野。各種媒体でのPCオーディオ関連、ハイレゾ関連企画の監修や原稿執筆も行う。「新版PCオーディオガイドブック」(インプレスジャパン刊)著者


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