4月29日(金)、恒例「春のヘッドフォン祭2016」が東京・中野サンプラザで開幕した。初日は風が強めながらも、まずまずのお出かけ日和。11時の開場前から熱心なオーディオファンが詰めかけた。
会場は、中野サンプラザの6階、7階、11階、13階、14階、15階と例年通り縦に長いレイアウトで、このうち6階のチャペルでは各種イベントが行われる。初日の午前中にはAstell&Kernブランドの新製品発表会が行われ、シングルDACのポータブルプレーヤー「AK300」と「AKレコーダー」が発表されて注目を集めた。午後にはMrSpeakersが初の静電型ヘッドフォン「ETHER Electrostatic」試作機を披露している。
展示会場内は相変わらず男性の比率が極端に高いが、これまでと若干違うのが、カラフルでファッショナブルな製品が目に付くようになったことだ。ソニーの「h.ear」シリーズやフォステクスの「KOTORI」シリーズなどヘッドフォン/イヤフォンでは以前から見られたが、最近はDACやポータブルアンプにも同様の動きが広がっている。例えばティアックは3月に発売したポータブルアンプ「HA-P5」のアクセサリー類を一挙展示。Van Nuys(バンナイズ)製のレザーラップは、カラフルな6色だ。
レザーラップとは、本体を入れるケースと異なり、本体に巻き付けるタイプのカバーのこと。マジックテープを外すと1枚の革になることからも分かるように、材料と縫製のコストを抑えることができるのがメリット。同社によると、販売価格は3000〜4000円程度になる見込みとのことで、その日の気分や服装に合わせてヘッドフォンアンプの“着せ替え”をするといった使い方もできそうだ。
その横にはアナログターンテーブルの「TN-570」を置き、その特徴となっている192kHz対応の光デジタル出力を利用して、「HA-P5」などの外部DACと接続するといった提案をしていた。
ポータブルオーディオファンの間で「リケーブル」といえば、より良い音を目指してイヤフォンやヘッドフォンのケーブルを交換することを指す。しかし、イヤフォンなどのケーブルは他人からも見られるもの。ファッションの一貫としてケーブルを付け替えてもいい。
オヤイデ電気ブースに並んでいる「Re:cord」(レコードじゃなくてリ:コードと読む)は、オヤイデ電気プロデュースの元、リケーブルで知られる「Zephone」とのコラボレーションにより誕生したブランドだ。ファッション性とコストパフォーマンスを重視し、リケーブル界の新しいスタンダードを目指すという。
Re:cordには、6本撚りのスタンダードタイプ「Palette 6」(9000円、税別)と8本撚りのプレミアムタイプ「Palette 8」(1万2000円)という2つのバージョンがあり、各種プラグとカラバリを合わせて計14種類をラインアップした。例えばMMCXコネクターだけでも3種類あり、ソニー製イヤフォンやシュアの「SEシリーズ」、根強い人気を誇るUE「TripleFi10」などにぴったり合うタイプがそれぞれ用意されている。導体には同社開発の「102 SSC」を採用しており、音質の向上も期待できる。
これまで、ほぼモノクロだった「ヘッドフォン祭」の会場にカラー化の波。手頃な値段でファッショナブルなポータブル製品は、今後のトレンドになるかもしれない。
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