Astell&Kernブランド製品を取り扱うアユートは、ハイレゾ対応オーディオプレーヤーの新製品「AK300」とAK300シリーズ専用オプション「AKレコーダー」(PRF11)を発表した。AK300は5月下旬、AKレコーダーは6月発売予定で、価格はそれぞれ899USドル、795USドルとしている(日本では価格調整中)。
AK300は、販売中の「AK320」とほぼ同形状のアルミ筐体(きょうたい)を採用したプレーヤーで、カラーは「ミッドナイトブラック」となる。DACはAK380と同じく旭化成エレクトロニクス「AKM4490」だが、デュアル構成からシングルに変更し、また内蔵メモリを64GBとするなどして低価格化をはかった。重量は205gとAK380よりも若干軽くなっている。対応フォーマットはWAV、FLAC、WMA、MP3、OGG、APE、AAC、ALACで、192kHz/24bitまで再生可能。DSDは5.6MHzまでPCM変換で対応する。
一方の「AKレコーダー」は、AK300シリーズ(AK380、AK320、AK300)をプロフェッショナルユースに耐えるモデルにすることを目指して開発された2チャンネル録音のための周辺機器。大柄な筐体にmini XLRのマイク端子を備え、AK300シリーズの背中に背負うような形で装着し、AK300シリーズをユーザーインタフェースおよびストレージとして利用する。録音時のフォーマットは384kHz/32bitまでのWAVもしくはDSD。「DSD 5.6MHzまで対応するレコーダーは世界初」(同社調べ)だ。
AKレコーダーは、4700mAhのリチウムポリマーバッテリーを内蔵。マイク駆動のファントム電源は5Vと48Vの2系統を用意してコンデンサーマイクにも対応するなど、音楽制作の現場を意識した設計が各所に見られる。単体の重量は251g。なお、同社によるとDPAとコラボして「SC4061」マイクを搭載したマイクホルダーと専用ケースのセット「ステレオマイクキットforプロフェッショナル」をセットにしたモデルも用意するという。
インタフェースはmini XLRのほか、3.5mmミニプラグ、AES3デジタルの3系統。XLR/mini XLR変換ケーブル付属し、市販のマイクにも対応する。会場では音楽制作や生録といた用途のほか、3.5mmミニプラグからフォノアンプに接続することでアナログ録音をするといった使い方を提案した。
ソフトウェア面ではタッチパネルを用いて0.5dbのゲイン調整ができる専用インタフェースを新規開発したほか、リミッター、ピーク調整、ローカットフィルター、といった基礎的なフィルター機能、録音開始前の数十秒間をあらかじめ収録しておくことで録音の失敗を防ぐ「プリレコーディングセティング」機能などを搭載。Astell&Kernではこれらの機能をまとめて「アドバンスドレコーディングテクノロジー」と呼ぶ。
なお、プレーヤーに搭載されたネットワーク機能を用いてモバイルデバイスを接続し、リモコンとして使う「ワイヤレスレコーディングアプリ」を現在設計しているという。AKレコーダーを最大4台まで同時にコントロールできるため、「この機能を用いることで、これまでとは違った録音環境を構築できる」(アユート)。
なお、AKレコーダーの開発にあたっては、X-JAPANなどのレコーディング・エンジニアを担当した杉山勇司氏をアドバイザーとして迎えたという。会場では杉山氏のコメントが披露され、「実際の音楽録音に使える」「このサイズでなければ置けない場所に置いて使ってみたい」「階段の残響音など、機材セッティングが大変な所で使いやすそう」といった、音楽制作者目線での利点が紹介された。
また、ギタリストのわたなべゆう氏がゲストとして発表会に登場、その場でライブが始まり、会場の生録を13階のAKブースで披露することがアナウンスされた。わたなべ氏はライブ内で「海辺で生録をしたこともあるが、その時はあまり良いレコーダーがなかった。ハイレゾをこのようなポータブルでできるのは凄い時代だ」と話していた。
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