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“ミラーレス10年の集大成”はプロ向けの静止画フラグシップ――パナソニック「LUMIX G9 PRO」

» 2017年11月16日 21時17分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 パナソニックは11月16日、ミラーレス一眼“LUMIX”シリーズの静止画フラグシップと位置付ける「G9 PRO」(型番:DC-G9)と交換レンズ「LEICA DG ELMARIT 200mm/F2,8/POWER O.I.S」を発表した。「ミラーレス誕生から10年間の集大成。プロカメラマンやカメラ愛好家の撮影意欲をかき立て、撮影意図に応えるハイエンド機」(パナソニック、イメージングネットワーク事業部長の山根洋介氏)という。

“LUMIX”「G9 PRO」(型番:DC-G9)

 マイクロフォーサーズ規格に準拠したレンズ交換式デジタル一眼カメラ。20.3MピクセルのLive MOSセンサーと新世代の画像処理エンジン「ヴィーナスエンジン」を搭載し、「LUMIX史上、最高の写真画質」という。「花のみずみずしさ、人のぬくもりまで表現する」

 AF合焦速度は世界最速の0.04秒、AF追従連写は毎秒約20コマ。しかも超高速連写時にもRAWデータで出力が可能だ。こうした機動力を支えるのが120fps(毎秒120フレーム)対応のライブビューファインダー。約368万ピクセルの有機ELパネルを搭載し、表示タイムラグを最短0.005秒に抑えた。

発表会の様子。右が山根事業部長

 ボディ内手プレ補正は、従来のジャイロセンサーからの信号からだけではなく、撮像センサーや加速度センサーから得られる情報をもとに手ブレを演算するアルゴリズムを新開発。世界最高の6.5段分の補正効果を発揮するという。またジャイロセンサーの情報を用いて手ブレ補正を制御する「Dual I.S.2」により望遠域でも同じく6.5段分の補正効果を実現。商品企画を担当したパナソニック、イメージングネットワーク事業部商品企画の津村敏行氏は、「手持ちによるスローシャッターを可能にする。手持ち撮影の概念を覆すといっても過言ではない」と胸を張った。

 またボディ内手ブレ補正の機構を生かし、センサーをシフト(動かす)しながら8連写して合成する「ハイレゾモード」を新搭載。通常の4倍の解像度にあたる約80Mピクセルの高解像度写真になる。

プロに使ってほしい

 ボディは防じん・防滴設計。軽量で耐久性の高いマグネシウム合金フレームを用い、外装には新しい顔料を使ってGH4などよりも深い黒の塗装を施した。天面にはカメラの各種設定を確認できるステータスLED、設定切替を素早く行えるファンクションレバーを新たに採用するなど、「ファインダーを覗いているときの操作性にこだわった」仕様だ。2基のSDカードスロットは、順次記録(リレー)、バックアップ(サイマル)、振り分け記録から選択可能。さらにUSB充電/給電にも初めて対応し、長時間撮影にも耐える。

マグネシウム合金フレーム

 3月に発売した「GH5」で動画クリエイターなどの市場を開拓してきたパナソニックだが、G9 PROではプロのカメラマンやハイアマチュア層を強く意識した。「プロにも使ってもらえる静止画ならではのフラグシップを出したかった。GH5より価格は抑えながら、静止画撮影の機能はぐっと向上した。動くものを撮影するハイエンドプロの方々に使ってもらえたらうれしい」(山根氏)

 G9 PROは2018年1月25日に発売予定。価格はオープンで、参考価格はボディ単体が21万円前後、標準ズーム付属モデルが29万円前後(いずれもオープンプライス)。あわせてバッテリーグリップ(3万5000円前後)やアイカップ(2000円前後)、ショルダーストラップ(5000円前後)、バッテリーチャージャー(5000円前後)といったアクセサリーも発売する。

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