先週の記事で最も読まれたのは、神尾寿氏の連載で「携帯電話の世界で、いよいよユーザーインタフェースの革新が始まる」。台湾HTC社製のWindows Mobile搭載携帯「HT1100」や米Appleの「iPhone」など“画面を指でタッチ”する携帯が登場したこと、また「モバイルGoogleマップ」や「MapFanナビークル」といったUIが作り込まれた携帯向けコンテンツを例に、機能重視で発展してきた携帯電話の世界でも、UIの進化が進むだろう、とした記事である。
記者の周りにも「携帯電話は電話とメールができて、あとはカメラが付いていればほかの機能は全部要らない」と言ってはばからない人は多い。携帯電話メーカーやキャリアが差別化のためにどんどん多機能化を進めた結果、多機能なのにほとんどの機能を使ってもらえない携帯電話が世に溢れているのは残念な話だ。UIなど“使いやすさ”を重視した携帯電話が増えて、世の使われていない・気付かれもしない機能が増えるといいなあ……と、元ITmedia ビジネスモバイルの記者としては願わずにはいられない。
ところで、9月10日からPASMOの販売が再開した。“売れすぎ”が原因で4月に販売を停止して以来、実に5カ月ぶりである(9月10日の記事参照)。
FeliCa電子マネー関連のニュース担当という関係上、記者は3〜4月頃、毎日のようにPASMO関連記事を書いていた。PASMOの広報業務は関東の私鉄数社の広報部が回り持ちで担当することになっており、当時担当だった東急電鉄広報部には何度となく電話をした。しかし何度聞いても答えてもらえなかったのが「PASMOのキャラクターをデザインしているのは誰か?」という質問である。
Suicaのキャラクターであるペンギンをデザインしたのが、絵本作家のさかざきちはる氏であることはよく知られている。PASMOのロボットをデザインしたのが誰なのか、興味がある人も多いだろうと思っていろいろな人に尋ねたのだが、分からないままだったのだ。
しかしその後、PASMOロボットをデザインした人物についての記事を見かけた。PASMOの“生みの親”は、電通社内のアートディレクター、安達翼氏という人物だという。「そういえば、PASMOの広告展開はすべて電通が手がけているって当時聞いたっけ」と、頭の中で記憶がつながった。
安達氏についての記事が掲載されているのはいずれもデザインの専門誌で、美術出版社「デザインの現場」6月号と、玄光社「イラストレーション」7月号。このほか、記者は見ていないが、一部新聞でも取り上げられていたらしい。上述の雑誌には、先進的なイメージを表現するロボットながら、人肌の感じられる“ゆるキャラ”デザインにしたという話や、なぜあの印象的なピンクになったのかという事情など、面白い内容なので、興味がある方はバックナンバーを探してみてほしい。
春ごろは首都圏の私鉄・地下鉄に乗るとあちこちでPASMOロボットが描かれたポスターを見かけたが、販売停止以来見かける機会が大幅に減った。Suicaのペンギンもいいが、PASMOの力の抜けた“ゆるさ”も魅力的。販売再開を機に、今後はPASMOロボットの露出も増えるのではないかとちょっと期待している。
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