絶句してしまった木村さんに、私は「死んで困ることはなんですか?」と聞きました。「死んでは困ること」――それが患者のやるべきこと、やれること、やりたいこと。つまり生きたい理由だからです。
「両親が健在なので看取りたい」
「子どもはいないが、妻とも添い遂げたい」
こう告げる木村さんの目に力がありました。これが木村さんの「生きたい理由」だったのです。
「なぜ生きたいのか」がハッキリと分かっていれば、気持ちが前向きになります。前向きな思いでいると、その気持ちによってホルモン環境も変わるので、体にいい影響が出てきます。生きたいと思えば、生きる方向に向かうのです。
どんな治療をするにしても、患者自身の気持ちが後ろ向きでいたら、効果は期待できません。そのためには、なぜ生きたいのかを考えることが大切なのです。
(次回は「ストレスの多い人生」について)
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