購入型クラウドファンディングの基本的な流れ入門クラウドファンディング(2/2 ページ)

» 2014年05月02日 08時00分 公開
[山本純子,Business Media 誠]
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4.キャンペーンの開始

 1.〜3.が決定したら、希望日より資金調達キャンペーンが始まります。これ以降に資金調達者ができることは、調達期限日時までに目標額を達成するべく、資金提供者を集めるのみです。

 ここで少し、資金提供者の側から見ておきましょう。

 掲載されたキャンペーンを見て資金を提供しようと思った人は、そのプロジェクトで提供されているリワードを見ながら支援額を選び、インターネットを通じて資金を支払います。この際、プラットフォームによってはリワードを選ばず、金銭寄付のみとすることも可能です。この方式を採用しているプラットフォームはキックスターター、キャンプファイヤーなど数多くあります。

 また、リワードを選んだうえで、寄付額を上乗せすることも可能です。

5.キャンペーンの終了と調達額の振込

 設定していた調達期限日時に達すると、自動的にキャンペーンは終了します。その時点までに集められた総調達額から、決済手数料とプラットフォーム手数料を引かれた額が資金調達者に振り込まれます。支払い期間のタイミングはプラットフォームによって違いますので確認しましょう。

6.資金提供者へリワードの送付

 調達終了後、送付できるものからできる限り速やかに、資金提供者へリワードを送付します。


 以上がクラウドファンディングを利用した資金調達の流れですが、最近の大きな特徴のひとつとして「オール・オア・ナッシング(all or nothing)」方式を取るプラットフォームも増えています。

 これは、設定していた調達期限日時までに当初目標としていた調達額まで集まらない場合、それまでいくら調達資金が集まっていても「0 円」、つまり集めた資金がもらえないという仕組みです。目標金額まで到達しなかった場合、それまでの資金提供者には支援額が払い戻されます。

 この方式を採用する理由としてはいくつか挙げられますが、代表的なものは以下の3つです。

  • 目標額を調達できないプロジェクトは、世に出すにはまだ検討事項が残っている
  • 目標額はそのプロジェクトを実行するために必要な額であり、それを下回る額しか調達できないとプロジェクトのスケール・ダウンにつながる(本末転倒になる)
  • 目標まで到達しない場合、これまで集めた資金すら受け取れないというルールは、資金調達を推進するひとつの力となる

 キックスターターをはじめ、日本のレディーフォー、キャンプファイヤーなど、世界の購入型クラウドファンディングの80%以上がこの方式を採用しています。また、どちらかを選ばせるプラットフォームもあります。

(終わり)

著者プロフィール:

山本純子(やまもと・じゅんこ)

株式会社アーツ・マーケティング代表。1997年、慶応義塾大学文学部美学美術史学専攻卒業。

大学在学時よりゲーム業界に携わり、主にオンライン・ゲームのマーケティング、調達、事業開発等に従事。

2009年、慶応義塾大学大学院アート・マネジメント分野修士課程に入学。同年末にITの力で芸術を広めるために(株)アーツ・マーケティングを創業。

2011年、修士課程修了後よりクラウドファンディングの研究を始め、慶応義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)を経て、現在、企画・コンサルティング・事業開発、および講演・レクチャー等に取り組む。


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