気付けば納得!? カンパニーロゴに隠された意味:ビジネス英語の歩き方(3/3 ページ)
前回取り上げたスローガンと並んで各社が非常に力を入れているのが企業ロゴや製品ロゴ。その中には興味深い意味が隠されていることがよくあります。
海外でも「Cool!」の声が高いVAIO
日本を代表する世界ブランドといえば、ソニー。そのソニーのカンパニーロゴは、社内デザイナーの手によるもので、その後世界中の企業ブランディングの手本になるほどの優れものとして知られていますが、PCの「バイオ」シリーズのデザインも非常に高い評価を受けています。
VAという始めの2文字を波型にすることで新しい潮流をイメージさせ、そのあとのIOがデジタル世界を象徴しているというのです。アナログをイメージさせる波形と、コンピュータ世界の基本中の基本である2進数(バイナリーナンバー)の1(イチ)と0(ゼロ)。製品ロゴですが、海外では「非常にクールだ」と高い評価を得たようです。
シンプルなアイコンに隠された2文字
最後は、メジャーリーグ球団のロゴ。ミルウォーキー・ブルワーズといってもヤンキースやドジャースほどの知名度はありませんが、青木宣親選手が主力で活躍しているチームといえば頭にイメージが浮かぶかもしれません(参照記事)。
そのブルワーズのロゴ、パッと見ただけでは野球のグラブにしか見えません。でも、ちょっと注意してみるとグラブにmとbの文字が。ミルウォーキーのm、ブルワーズのbがグラブを作っているわけです。
真ん中に野球のボールというベタなロゴですが、米国で野球は子供からお年寄りまでみんなに愛される「国民の娯楽(National pastime)」。その野球のチームシンボルとしては、実によくできています。ちなみにNational pastimeは、さらにくだけた言い方をすれば、国民の暇つぶしというニュアンスもあるのですが、いずれにせよ、このロゴはよくできていますよね。
著者プロフィール:河口鴻三(かわぐち・こうぞう)
1947年、山梨県生まれ。一橋大学社会学部卒業、スタンフォード大学コミュニケーション学部修士課程修了。日本と米国で、出版に従事。カリフォルニアとニューヨークに合計12年滞在。講談社アメリカ副社長として『Having Our Say』など240冊の英文書を刊行。2000年に帰国。現在は、外資系経営コンサルティング会社でマーケティング担当プリンシパル。異文化経営学会、日本エッセイストクラブ会員。
主な著書に『和製英語が役に立つ』(文春新書)、『外資で働くためのキャリアアップ英語術』(日本経済新聞社)がある。
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