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鉄道会社の「虚偽申告」 鉄道事故の原因究明は十分か?杉山淳一の時事日想(5/5 ページ)

2012年2月に起こった鉄道の脱線事故で、JR北海道が提出した記録に「改ざん」があった。事故調査委員会はJR北海道の虚偽を見破った。この改ざんは直接の事故原因ではなかったが、過去の事故はどうか。再検証が必要なのではないか。

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調査報告書は「出したら終わり」ではない

 事故調査委員会は、基本的には当事者の報告書を信用して対処するであろう。しかし、その報告書が改ざんされ、それをうのみにしたとすると正しい結果を導き出せなくなる。八雲駅と大沼駅の脱線事故について、事故調査委員会はJR北海道の改ざんを見逃さなかった。では、過去の事故はどうであったか。本当はJR北海道に原因があっても、JR貨物側の責任になっていないか。

photo JR北海道のWebサイト(2014年8月13日現在) 一連の事故や不祥事について「輸送の安全に関する事業改善命令及び事業の適切かつ健全な運営に関する監督命令」を受けたことをTOPページで告知した

 フジテレビが29年前の日航機墜落事故を最新の技術で再精査したように、JR北海道関連の過去の事故も、新たな事実や技術に基づいた再検証が必要かもしれない。データの改ざんに関しては、かなり過去へさかのぼる必要がありそうだ。

 調査報告書は「出したら終わり」ではない。過去の引き出しにしまい込んではいけない。


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