速度も使い勝手も“USB 2.0”――NECエレ、「Wireless USB」で説明会

» 2004年02月19日 16時48分 公開
[西坂真人,ITmedia]

 NECエレクトロニクスは2月19日、PC/周辺機器/デジタル家電といった機器同士を簡単に無線で接続する新しいインタフェース規格「Wireless USB(Universal Serial Bus)」の技術開発を開始したと発表。2005年6月末までに、Wireless USBに対応したホスト(親機)/デバイス(子機)向けシステムLSIの製品化を目指す。

 同日都内で、新技術についての説明会が行われた。

 Wireless USBは、米国サンフランシスコで開催されている「IDF Spring 2004」で18日(現地時間)に発表(別記事を参照)された近距離高速無線技術。現行のUSB 2.0の拡張規格となる。

 “USB 2.0のワイヤレス版”をめざしたWireless USBは、無線通信方式に低消費電力で高速なUWB (超広帯域無線)を採用。ワイヤレスながらもUSB 2.0と同じ最大480Mbpsの通信速度を直径10メートル(最大)の範囲で確保し、なおかつ既存のUSBと同じ操作性と使い勝手の維持している点が特徴だ。

photo

 PCやデジタル家電の無線技術では、IEEE 802.11a/b/gなど無線LANが普及している。だが、高速タイプの802.11a/gでも通信速度は最大54Mbpsで、高品質動画のストリーミングやHDD/光学ドライブのデータ転送にはさらに高速な通信方式が求められていた。

 「無線LANでは得られなかった最大480Mbpsというスピードを生かして、外付けHDD、CD/DVDドライブ、スキャナーなど周辺機器をワイヤレス化できる。ケーブルが一切ないデスクトップPCや、ハイビジョン映像を無線配信するデジタルAV機器も可能。Wireless USBは、近距離に特化して高速化を図った無線技術。従来の無線LANは中・長距離のワイヤレス通信技術として短距離のWireless USBとは共存する」(同社)

 Wireless USB規格策定を目的として発足した業界団体「Wireless USB Promoter Group」(参加企業はIntel/Microsoft/Hewlett-Packard/NEC/Philips Semiconductors/Agere Systems/Samsung Electronicsの6社)が、今年12月までに具体的な仕様(バージョン1.0)を策定する予定。

 Wireless USB Promoter Groupに名を連ねるNECは、もともとUSBの業界推進団体「USB インプリメンターズ・フォーラム」のコアメンバーとして活動。NECエレクトロニクスはUSB製品の技術開発や市場開拓の中心的役割を担ってきたが、今回のWireless USBでも積極的に技術開発を展開。IDF Spring 2004の会場では、同社が業界初のWireless USBデモンストレーションを行ったという。

photo Wireless USBのデモ機

 UWB-PHY(物理レイヤー)に関しては、UWBの物理層チップ開発で高い技術力を持つ米国StaccatoCommunicationsとイスラエルWisairの2社のベンチャーと共同で開発を行っていくという。

photo Wireless USBの実演は、USBデバイス側の外付けUSB接続HDDからホストコントローラ側のデスクトップPCへUWBを使ってファイル転送を行うというもの。同社がホスト/デバイス側のロジックボード製作を行い、UWB-PHY(物理レイヤー)開発はStaccatoCommunicationsが担当した

 「2003年には年間4億個が出荷されたUSBデバイスは、2004年は年間5億個が見込まれており、そのなかでUSB 2.0は全体の40%(約2億個)に拡大すると見られている。従来ケーブルだったLANが無線LANとして普及しているが、USBも同様にワイヤレス化する時代がきた。Wireless USBは、USB 2.0の速度と使い勝手を無線化した画期的技術」(同社第二システムLSI事業部長の新津茂夫氏)

 同社は規格策定への積極的な参画やUWB-PHYベンダーとのアライアンスによって早期に製品を開発し、Wireless USBでのデファクトスタンダードを獲得する方針。

 「2007年には、年間約1400万個(約100億円)の出荷を見込んでおり、現行のUSB2.0と同様に50%以上の世界シェアを目標としている」(同社)

photo 同社のWireless USB開発ロードマップ。当初は他社UWB-PHYベンダーとのチップセットソリューションを展開するが、将来的にはUWB-PHYを内蔵した1チップ化を図る

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