「ボス電FOMA」のヒミツをサントリーに聞く

» 2004年03月10日 10時54分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 缶コーヒーのブランディングを目的として始まったサントリーの「ボス電」キャンペーン。1999年に実施された初回キャンペーンでは、当時の主力商品だった「ボス セブン」の缶の色やデザインを反映させた「P501i」を景品として打ち出し、注目を集めた(1月14日の記事参照)。

 2000年には「P209iS」のボスバージョンを用意した2回目のボス電キャンペーンを実施、この3月1日からは、「P900i」ベースの「ボス電FOMA」が当たるキャンペーンが始まった(2月20日の記事参照)。

 ボス電FOMAは、初回キャンペーンから続いているゴールドにカラーリングされた特別仕様。P900iの特徴であるカスタムジャケットも本体付属に加えて、さらにもう一枚付属、メニュー画面やデコメール素材、着モーションなどもボスオリジナルのものが用意される凝りようだ。

 「みなさんの期待が大きいので生半可なものは出せない」と、ボス電FOMAの企画を担当したサントリー食品カンパニー食品事業部の磯田純氏は話す。

 ボス電FOMAを担当した磯田純氏。ボス電FOMAに内蔵するコンテンツ選びも手がけたという

コンテンツとブランドイメージの間で

 ボス電キャンペーンが実施されるのは、実は3年ぶり。その間にも「次回のボス電キャンペーンはいつ?」という問い合わせが定期的にくる人気ぶりだという。

 ボス電に新生FOMAを持ってきたのは「ボスのメジャー感やスケール感を表現できると思うから」というのが大きな理由だ。FOMAはこれまでの携帯電話に比べると格段に端末価格が高く、プロモーション費用もばかにならない。それでも「新FOMAが出る時期、まだ発売されていないモデルもある中で、3月1日からFOMAを景品として出す。しかもそれがオリジナルでできるところに高い価値がある」ことから、FOMAの採用が決まった。

 内蔵のオリジナルコンテンツも、ブランドイメージを損ねないようにとのこだわりがある。ボスおじさんの「キャラ電」がないのもその一つだ。「あのロゴがボスのアイコンなので、下手に色々な動作をさせるのはイメージを崩しかねない」。

 一方でメニュー画面に今の製品にちなんだものを持ってきたり、着メロとしてコマーシャルソングをプリセットしたりと、ボス電らしさへのこだわりは忘れていない。

ボスブランドの定着に貢献

 ボス電が生まれたのは、1999年に主力商品だった「ボス セブン」のキャンペーンの時。「ボス セブンの缶の色がゴールドで、それを違和感なく出せる景品は何かと考えた時に浮かんだのが携帯電話」。

 また当時はiモードが話題になり始めた時期でもあった。「ボスのブランドコンセプトは『働く男の相棒コーヒー』。これから先、携帯電話が働く男の相棒になるだろう。このタイミングで携帯電話というのはいいんじゃないかと。他社もまだアプローチしていなかったこともあって、ボス電が生まれた」。

 当時、ボディカラーがゴールドの携帯電話はなかったこともあり、大きな反響があった。以来ボス電のイメージカラーはゴールドで統一されている。「記号性として『ボス電といえばゴールド』というのが定着している。ゴージャス感も演出できることから、今回もゴールド」。カスタムジャケットだけでなく、全体がゴールドに塗られたボディは、ボス電オリジナルの仕様だ。

カスタムジャケットはオリジナルのものが2枚付属
ボディカラーも、ボス電オリジナルのゴールドだ

 ボス電はキャンペーン効果も絶大で、「これまで行ってきたさまざまなキャンペーンの中でも、ボス電1と2が応募枚数で1位と2位を占めている」という。話題性も手伝って「ブランド認知に大きく貢献した。働く男の相棒というところで缶コーヒーをうまくつなげるパスができ、ブランディングに成功したキャンペーンだと思っている。」と磯田氏は話す。

 今、まさに働く男には手放せないアイテムとなった携帯電話。そんな時期に登場する「ボス電FOMA」だけに、注目を集めるのは必至だ。「新生FOMAで大々的にできるのはボスだからこそ。『さすがボスだよね』というところを狙ってこそボス電の意味がある」

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