4G、OS、ソーシャルフォン、タブレット――HTC 小寺氏が語る製品戦略(2/2 ページ)
5機種のスマートフォンと1機種のタブレットを2月のMobile World Congress 2011で発表したHTC。日本向けには「htc EVO WiMAX ISW11HT」も投入し、存在感を高めている。2011年はどんな戦略で携帯事業を展開していくのだろうか。
独自UIを備えた“軽い”タブレット「HTC Flyer」
HTC初のタブレット端末として発表されたのが、7インチディスプレイを備えるFlyerだ。タブレットの発表が他社と比べてやや遅れたのは「急いで出すよりは、時間をかけて差別化を図ることに注力したため」(小寺氏)。Flyerにも裏面に削り出しのアルミを用いており、プレミアム感が出るようこだわった。素材に金属を使うと重くなりがちだが、Flyerの重さは約415グラム。日本で発表された約620グラムの「Optimus Pad L-06C」と約700グラムの「MOTOROLA XOOM Wi-Fi TBi11M」と比べると軽くて持ち運びやすい。
FlyerのOSはAndroid 2.3だが、今夏にAndroid 3.0へアップデートする予定。ただし、アップデート後もOptimus PadやMOTOROLA XOOMなどに使われてるAndroid 3.0の(素の)UI(ユーザーインタフェース)は使わず、当初から採用しているHTC Senseを継続させるという。1.5GHzのCPUにより、「3.0へアップデートしてもパフォーマンス面での問題はない」(小寺氏)とのこと。ホーム画面は縦と横の表示に対応し、独自のウィジェットや3D表示が可能になる。開発終了前の試作機のため細かい操作はできなかったが、Android 3.0の標準UIとは異なる印象を受けた。
Flyerの特徴的な機能の1つが、デジタルペンでWebページや写真などにメモを書き込める「HTC Scribe」だ。どんな画面でもメモを書き込め、JPEGに保存してメールで送ったりもできる。さらに、Timemark機能を使うと、メモを書き込みながら音声を録音でき、メモをした単語をタップすると、メモをした時点に録音された音声が再生されるので、ミーティングなどに重宝する。
このほか、HTCの動画ダウンロードサービス「HTC Watch」や、モバイルクラウドゲーム「OnLive」もFlyer向けに提供される。OnLiveはストリーミングでゲームを配信するサービスで、ゲームの映像を記録したり共有したりできる。欧州から展開し、アジアにも順次提供する予定。
今回発表した6機種を日本で供給するかは未定だが、「現在は(キャリアに)売り込みをしている。世界中どの市場にも投入したいと思っている」と小寺氏は話す。「日本では出し方が中途半端な機種もあった。auのEVOのように、キャリアとしっかり組んで、投入の仕方を考えたい」
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