ZTE、5.7インチディスプレイ搭載の「Grand Memo」+Firefox OS搭載スマホ「Open」を発表:Mobile World Congress 2013
ZTEが、5.7インチのスマートフォン「ZTE Grand Memo」と、Firefox OSを搭載した「ZTE Open」を発表。Grand MemoにはSnapdragon 800やDolby Digital Plusといった最新の技術が使われている。Openは低価格なローエンド機として投入する。
Snapdragon 800とDolby Digital Plusを搭載する「ZTE Grand Memo」
中国ZTEは、Mobile World Congress 2013でプレスカンファレンスを開催し、5.7インチという大画面を搭載したスマートフォン「ZTE Grand Memo」を発表した。1280×720ピクセルのHDディスプレイ、最新のQualcomm Snapdragon 800チップセットを搭載したハイスペックスマートフォンだ。具体的な発売日は明らかにされていないが、まずは中国市場にリリースし、その後欧米での販売を想定しているそうだ。
Grand Memoは、1.5GHzクアッドコアプロセッサ、2GバイトRAM、16GバイトROM、1,300万画素カメラ、3200mAhのバッテリーなどを搭載したハイスペックなスマートフォン。特に5.7インチという大きなディスプレイが特徴で、解像度はHDだが、急増している5インチサイズのスマートフォンよりも大きなディスプレイで存在感を出している。
大容量バッテリーと大型ディスプレイを搭載しながら、厚さは8.5ミリに抑えられており、ジーンズの後ろポケットにも入るサイズだとZTEはアピール。電源管理、アプリ管理、データ通信量、ウイルス対策などのセキュリティ機能を搭載した「ZTE Assistantアプリ」も用意するほか、運転中でもナビゲーションなどを操作しやすいカーナビアプリ「ZTE Drive」、片手で操作しやすいようにダイヤルキーやキーボードを表示するワンハンド・ダイヤラー/キーボードも搭載した。
操作性に配慮し、通常は本体下部にあるメニューやホームキーなどの操作ボタンを、画面端に表示する「Mi-Pop」を搭載した。
このGrand Memoには2つの新しい製品が搭載されている。1つがQualcommが2013年1月のInternational CES 2013で発表した「Snapdragon 800」だ。駆動周波数は1.5GHzのクアッドコアで、高いパフォーマンスが期待できる。IEEE802.11ac/nのデュアルバンド無線LANチップも統合されており、Bluetooth、MHL、DLNAといった主要な規格をサポート。下り最大100MbpsのLTE通信や1080pのWi-Fiディスプレイも対応する。
同社のHe Shiyouモバイルデバイス部門長によれば、同社のスマートフォンは、「Slim」「Screen」「Speed」「Safe」の「4S」というコンセプトでデザインされており、今回のGrand Memoではスリム、大画面、ハイパフォーマンス、安全機能をそれぞれ搭載。「ZTEのスマートフォンでベストなデザインの端末」とGrand Memoをアピールする。
Qualcommのプロダクトマネジメント部門シニアバイスプレジデントのRaj Talluri氏は、「Snapdragon 800にとって最初の発表」と強調し、Grand Memoの先進性をアピールした。省電力性の1つとして、LTEモデムを統合した点も紹介した。
もう1つが次世代エンジンを搭載した「Dolby Digital Plus」だ。DolbyのE-Media部門のSenior Vice President、John Couling氏は「(Grand Memoは)世界初のDolby Digtal Plus搭載スマートフォン」と話し、バッテリー持続時間に影響なく、高音質の音楽再生が可能になることをアピールした。特に大画面のスマートフォンでは映像再生への要望が高く、Snapdragon 800によるフルHD動画と、Dolby Digial Plusによる高音質の音の再生が可能になる点が、Grand Memoの優位点として挙げられた。
Firefox OS搭載スマートフォン「ZTE Open」も発表
もう1つの新製品が、Firefox OSを搭載したスマートフォン「ZTE Open」。前日のFirefox OSのプレスカンファレンスで公開されて製品を、ZTEが正式に発表した形だ。まずはスペイン、南米で2013年夏に発売する。
ボリュームゾーンをターゲットにした低価格モデルで、1GHz駆動のシングルプロセッサ「MSM7225A」、320×480ピクセルの3.5インチ液晶、256MバイトRAM、512MバイトROM、320万画素カメラ、無線LAN IEEE802.11b/g/n、Bluetoothなどを搭載。バッテリー容量は1200mAhとなる。
主なターゲットとしては若者と、フィーチャーフォンから初めてスマートフォンに変えたい人たち。今回はローエンド端末だが、ターゲットの南米では、スマートフォン所有率が平均で18%程度で今後の成長の余地が大きく、Firefox OSとOpenにより、低価格ながらリッチな機能を提供していきたい考え。Shiyou氏は「要望があればハイエンド端末も検討したい」とした。
同社は過去15年間の端末開発の歴史があり、2012年は前年比で2倍となる6億5000万台の端末を出荷。「OMEベンダーとしては世界4位になった」とShiyou氏は胸を張る。端末収益の70%はスマートフォンで、今後も注力していく意向。ハイエンド端末の投入とブランドの構築で、2015年には第3位を目指す。
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