「LCCとして、大きなニッチを狙う」――ウィルコムのスマホ・PHS戦略:「だれスマ」は月々1980円から(2/2 ページ)
ウィルコムが7月4日、新商品/サービス発表会を行った。7月1日に更正手続を完了し、ソフトバンク子会社となったウィルコム代表取締役社長の宮内謙氏は、「LCC(ローコストキャリア)として、これからも大きなニッチを狙っていく」と宣言した。
「4G+PHS/3G+PHS」の2大スマホで“ニッチ”を狙う
宮内氏は「現時点でスマホ普及率は48%。この“スマホ戦国時代”に、他社とは違う味付けで、違った良さを提供するため、あえてスマートフォンを2台投入する」と説明する。
京セラ製のAndroid 4.2搭載スマートフォン「DIGNO DUAL 2 WX10K」は、PHS通話のほか、SoftBank 4Gに対応して下り最大76Mbpsの高速通信が利用できる。ディスプレイがスピーカーとして機能する京セラ独自の「スマートソニックレシーバー」で、通話音声の聞き取りやすさを向上させ、防水/防塵やワンセグ、おサイフケータイ、赤外線通信、テザリングなど機能も充実させた。発売日は7月18日。
シャープ製のスマートフォン「AQUOS PHONE es WX04SH」は、PHS通話と3G通信ができ、幅60ミリの丸くて細いコンパクトなボディが特徴だ。OSはAndroid 4.1で1.5GHzデュアルコアCPU搭載の「MSM8260A」を採用した。 WX10Kと同様、防水、おサイフケータイ、赤外線通信、ワンセグ、テザリングなど日本向け機能を充実させた。発売は9月中旬を予定している。
「月額使用料を変えずに、スマホに変えたい」ユーザーへ
「リサーチによると、ケータイユーザーがスマートフォンに変えない理由の約6割が、月々の支払い総額が上がるからという理由だった。PHSだけ使い、パケット通信費を抑えたい層も狙いたい」と宮内氏は言う。ウィルコムの調査では「ガラケーユーザーの平均支払い額は月額4863円」という結果が出たが、スマホでもその料金を実現するために月額2980円の新料金プラン「ウィルコムプランLite」を7月18日から提供する。基本使用料980円とWeb接続料315円と合わせても、月額料金を4275円に抑えられる。
6カ月間はキャンペーン価格として月額1980円とし、ヘビーユーザー向けで月額5985円のウィルコムプランD+のパケット定額料も、2年間はキャンペーン価格として月額5460円となる。定額で利用できるのは、ウィルコムプランLiteが月間1Gバイト、ウィルコムプランD+が月間7Gバイトまで。これらの通信量を超えると、通信速度が下り最大128Kbpsに制限され、本来の通信速度で利用するには追加料金を払う必要がある。
宮内氏は「LCCスマホとでもいうべきもので、1Gバイトまでしか使わないユーザーを狙うことで、他キャリアとうまくセグメンテーションしている。動画をばんばん見たいという人は、また違うタイプの契約をするはず」と話し、「新しい使い方をしたいが、あまり高くない方がいい層が100%になることはないが、少なからず需要はある」と続けた。
「ウィルコムは、これまでフリスクサイズのPHS(ストラップフォン WX03A)を発売するなどしたが、3万〜5万台は売れた。一方で、テスト的に発売したiPhone4Sは大して売れなかった。実際に商品を発売/サービスを開始するまで、分からない」と宮内氏は話し、寺尾氏も「新料金プランはスマホとセットで持つには厳しい料金であり、テストマーケティング的な料金設定でもある」と言うように、ウィルコムは「大きなニッチ」を狙って試行錯誤を重ねていく。
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