スマホ時代に“顧客対応力”を強化するには?――ドコモ販売部長の鳥塚氏が説明(2/2 ページ)
スマートフォンが急速に普及していく中で、店頭での接客に時間がかかり、来店者を待たせてしまうことで満足度が低下する――という問題が起きている。ドコモショップをはじめとするユーザー接点で、同社はどのように顧客対応力を強化していくのだろうか。
30分以上待たせると、来店者の満足度が下がる
ショップで来店者の待ち時間を減らすために、オペレーションの効率化も図る。ドコモは1つの指標として「30分以上待たせると、来店者の満足度が下がる」と考える。30分以上待たせるケースは2012年度に16%だったが、2013年度はこれを3割減らすことを目指す。そのための施策の1つとして、店頭で接客用のタブレット(現在はXperia Tablet Z SO-03EとGALAXY Tab 10.1 LTE SC-01D)を活用し、契約状況の確認や注文内容の仮登録を行う。タブレットは7月末で270店舗に導入されているが、8月以降は、1800店舗で順次導入する。店舗用のタブレットにインストールした独自アプリにはカタログも用意しており、機能・カラー・メーカー・価格などから目当ての機種を検索できる。来店者は待ち時間を有効活用できるわけだ。タブレットはスタッフが一緒に操作するので、スマホに不慣れな人でも安心だろう。
スマートフォンの使用法や悩みなどの相談もショップで増えているようで、初心者の中にはGoogleアカウントの設定方法が分からない人もいる。鳥塚氏は「Googleアカウントの設定方法など、Androidスマートフォンを使う上で必須の部分はサポートするが、それ以上のドコモ以外のサービスについては、責任を持った対応はできないというのを公式見解としている」と話し、どこまでサポートをするかは悩ましい問題のようだ。
こうした問題を解消するのに一役買うのが、スマホ向けコンテンツだ「スマホお悩みサポートメニュー」だ。訪問者数は月724万人、ページビューは月1990万に上る(2013年度第1四半期実績)。もう1つ、専門のオペレーターが画面を見ながら操作案内や操作を行う「スマートフォンあんしん遠隔サポート」も、オンラインで利用できるサービスだ。契約数は2013年6月末時点で370万で、応対数は月12.1万に上る。「音声で案内するだけでなく、リモートで表示できるので、スマートフォン初心者には大変好評」と鳥塚氏は手応えを話す。
7月24日からは、端末の修理をオンラインで申し込め、代替機も送ってもらえる「オンライン修理受付サービス」も提供する。
リアル店舗の負荷を減らすという点では、「ドコモオンラインショップ」も重要な役割を担っているだろう。オンラインショップの利用率は「2012年と比べると5割ほど伸びているが、全体の割合は低い」(鳥塚氏)のが現状だ。今後については「オンラインショップの利用率は高めていきたいと考えている。Web上での誘導を強くするなど、告知を広めていきたい」とした。
マイショップサイトから来店予約が可能に
2つ目の対策が「ドコモショップで多様な商材を提供するための環境作り」。その一環として、「カラダのキモチ」「らでぃっしゅぼーや」など、スマートフォン向けに提供しているサービスを店頭でも取り扱う。また、顧客対応システムには、ユーザーの契約状態からサービスを勧める機能もあるので、ユーザー1人1人に合ったきめ細やかな提案ができるのが強みだ。
3つ目が「Webを活用した新しいOne to Oneアプローチの推進」。11月にはドコモのコーポレートサイトのリニューアルを予定しており、「お客様の利用内容に合わせてサービスを表示するなど、One to Oneを実現したい」と鳥塚氏は話す。
ドコモショップでは「マイショップサイト」という会員制のWebサイトを用意しているが、リアル店舗とマイショップを連携させるべく、7月1日に機能を拡充した。その1つが来店予約機能だ。来店予定日時をスマホ版マイショップサイトに事前登録しておけば、来店当日に優先的に案内してもらえる。また、ドコモは初心者〜中級者向けにスマートフォンの活用法をレクチャーする「電話教室」を定期的に開催しているが、この予約もマイショップサイトから行える。2013年秋からは、マイショップ上からの商品予約や各種手続きなどを行える機能拡充も予定している。
スマートフォンの普及がますます加速する今後は、リアル店舗の質向上やオペレーションの効率化はもちろん、オンラインサービスといかに連携させていくかがカギを握りそうだ。外からは見えにくいものではあるが、ユーザー接点での対応力が、顧客満足度を大きく左右することは間違いない。
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