中古でもiPhoneが人気の理由:中古携帯の動向を追う(2/2 ページ)
日本は、いまやスマホユーザーの5割以上がiPhoneという「iPhone全盛時代」の真っただ中。そんなiPhoneは、中古市場でも人気です。その秘密に迫ります。
中古でもiPhoneが人気の理由
これらを踏まえつつ、中古でもiPhoneが人気の理由を考えてみます。
安さ
日本国内の携帯電話販売方法がほぼ分割になっており、月々の割引があるため、iPhoneの端末価格を意識するケースは少ないと思います。
iPhone 7を例に出すと、
- 32GB:約8万円
- 128GB:約9万円
- 256GB:約11万円
※店舗やキャンペーン状況により異なる場合がありますのでご容赦ください。
それに比べて、中古であれば状態にもよりますが、30〜50%安く購入できます。「iPhoneが壊れた」「2年間の割賦契約中に機種変更したい」といったユーザーにとっては、ショップで買うより中古スマホ店で買う方が非常にお得です。
格安SIMの普及
月額料金を抑えたいニーズから、格安スマホが急激に普及していますが、実はSIMのみの契約者が多く存在しています。全体の約4割がSIMのみ契約といわれています。格安SIMと中古iPhoneのセット販売されているMVNOがほとんどないため、格安SIMとの端末として中古iPhoneの需要が高まっています。
長く最新OSを使える
先ほど説明した内容になりますが、端末が変わってもインタフェースが変わりません。要するに、古い端末でも最新バージョンのOSを入れれば最新版として使えます。例えば2017年秋に配信されるiOS 11は、2013年に発売されたiPhone 5sでもアップデート可能です。最近は発売から4年ほどは最新OSを使えるので、最新のiPhoneを買わなくても、古い機種で問題なく使えるわけです。
世界中で使える
iPhoneは世界中で同じインタフェースで使え、Androidのようにローカライズされていないため、世界中で使用できます(※海外で使用するにはSIMロックを解除する必要があります)。そのため、中古市場がAndroidよりもはるかに大きい規模で存在しています。現に同時期のiPhoneとAndroidでは、買い取り価格1万円以上もの差が存在していることもざらです。
最近では、大手キャリアの下取りも活発化してきています。ゲオの買い取りランキングを見てみると、iPhoneが買い取りランキング独占しています。中古端末が1500機種以上ある中で、iPhoneがランキング独占しているのは、中古iPhoneが多数流通していることの証拠にもなります。
順位 | キャリア | メーカー | 商品 | 発売日 |
---|---|---|---|---|
1 | ソフトバンク | Apple | iPhone 6 | 2014年9月12日 |
2 | au | Apple | iPhone 6 | 2014年9月12日 |
3 | ドコモ | Apple | iPhone 5s | 2013年9月20日 |
4 | ソフトバンク | Apple | iPhone 5s | 2013年9月20日 |
5 | au | Apple | iPhone 5s | 2013年9月20日 |
6 | ドコモ | Apple | iPhone 6 | 2014年9月12日 |
7 | ソフトバンク | Apple | iPhone 5 | 2012年9月21日 |
8 | au | Apple | iPhone 5 | 2012年9月21日 |
9 | au | Apple | iPhone 6s | 2015年9月25日 |
10 | ソフトバンク | Apple | iPhone 6 Plus | 2014年9月19日 |
毎年の風物詩になりつつある、iPhone新シリーズ発売。2017年は、iPhone 8が9月に発売されると予想されます。新シリーズが出ると旧シリーズの値段が下がります。新シリーズをキャリアショップや量販店で買うか、はたまた、中古ショップで旧シリーズを買うか。中古という選択肢を考えるといろいろなさらにお得にiPhoneを入手できます。
著者プロフィール
粟津浜一
株式会社携帯市場 代表取締役
1979年岐阜県生まれ。2004年筑波大学大学院理工学研究科修士課程修了。その後ブラザー工業にて、さまざまな研究開発業務に従事。2009年株式会社アワーズ設立、社長に就任。2017年株式会社携帯市場に社名変更。中古携帯を日本中に文化として広めることをビジョンとして、中古携帯市場動向セミナー、事業説明セミナーを行い、これまでに1000以上の店舗に中古携帯事業を展開、コンサルティングを行っている。
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