「社用PC高すぎ、中古品使おう」の注意点 潜む“前の持ち主の亡霊”リスク 立命館・上原教授に聞く(2/3 ページ)

買い手が抱える2つのリスク 潜む“前の持ち主の亡霊”

 一方で買い手については大きく分けて2つのリスクが考えられる。一つは、ライセンス違反の恐れだ。

 中古PCの中には、ハードウェアだけでなくWindowsやOfficeなどのライセンスをバンドルして販売されているものもあるが「海賊犯、あるいは海賊版とまではいかないまでも、ある会社向けのボリュームライセンスとして発行されたものを勝手にばら売りしているケースを時たま見かける」と上原教授は述べる。

 大企業では稀かもしれないが、中堅・中小企業となると、ソフトウェアがインストール済みの中古品を購入するケースが少なくない。そうした際には、バンドルされているソフトウェアのライセンスが適正かどうか、注意を払う必要があるとした。

 もう一つは、管理ツールの影響がまだ残っているリスクだ。企業システムで利用されるPCの中には、資産管理やセキュリティ管理の一環として、MDMと呼ばれる管理ツールを導入するケースがある。こうしたツールの中には、OSレベルではなく、BIOSレベルでマシンを同定した上でソフトウェアのライセンス管理を行ったり、遠隔操作を行ったりできるものもある。

 「本来ならば、こうしたツールで管理されている端末を手放す場合には、ライセンスや管理の枠から切り離した上で行うべき。しかし、切り離し損ねたりして管理下から離れないまま流通しているケースが見られる」(上原教授)

 上原教授が見かけたケースでは、リースバック品を購入して電源を入れたところ、生き残っていたMDMツールが再び動き出し、勝手にクラウドからさまざまなソフトウェアをダウンロードしてセットアップしてしまったという。管理を適切に行うための仕組みがあだになり、以前使っていた会社の標準キッティング状態にさせられてしまったわけだ。

 やっかいなのは、こうしたMDMツールは、作りによってはOSが動く前の段階から管理を行うため、いくらウイルス対策ソフトやエンドポイントセキュリティソフトを導入しても検出できないことだ。しかも原理上、ソフトウェアのインストールや設定変更はもちろん、遠隔操作もできる。

 「今のところ、こうした仕組みが悪用されたケースは耳にしていない。ただ、意図的にMDMソフトをオンにした中古PCを流通させることで、ピンポイントで非常に見破りにくい標的型攻撃を行うことも理論上は可能」(上原教授)

 中古品、あるいはリースが終了したPCをメーカーや販売業者が買い取り、再整備して販売する「リファービッシュPC」に限らず、市場に流通するPCについては、チップなどのレベルで不正な部品が埋め込まれ、外部へのデータ流出やバックドアの存在を懸念する声もある。

 上原教授は、理屈の上ではそうしたリスクは有り得るとしながらも「目に見える部品でやられるよりも、不正なBIOSや管理ツールを混入され、中古品として流通する可能性はゼロではないと思う」と述べた。

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