小寺信良のIT大作戦
カメラのないAIグラス、「RayNeo iO」はどこまでやれるのか 盗撮疑惑とは無縁になるが機能面は?(4/5 ページ)
相手が何語を話しているか分かっている場合は問題ないが、アジア圏の言語は馴染みがないため、例えばミャンマー語なのかマレー語なのか区別できる人は少ないのではないか。またアラビア語だけでもかなり細かく国が分かれており、どれを選択するべきか迷う。もちろん自分で選べることも重要だが、自動判別機能の搭載は必須かと思われる。
試しに中国語の機器操作のガイダンス動画を翻訳させてみたが、多少句読点が変なところはありつつも、内容は理解できた。
翻訳をOFFにすると、日本語から日本語テキストへ変換してくれる。あんまり使い道がないと思われるかもしれないが、例えば電車内でノイズキャンセリングヘッドフォンで音楽を聴いているが、電車のアナウンスは確認したい、というケースはあるはずだ。
そういう用途に使えたら便利だろうと実際に電車に乗り込んで試してみたが、電車音がうるさいためか、1語も文字化されなかった。また町の雑踏の中で、おしゃべりしながら歩いている人の横並びでしばらく歩くタイミングがあったが、人間の耳では内容が聞こえてくるのに、AIグラスには一語も表示されなかった。
いろんな会話を聞き取ってめちゃめちゃにならないよう、反応が制限されているのかもしれない。だがそこはAIによって話の筋が通るものを選別するとか、一番明瞭な音声を拾うなどの機能があってもいいだろう。人間の耳と脳って実はすごいと改めて実感させられた。
「ライブキュー」はまだβ公開ではあるが、会話の内容を聞き取って、質問に対して推奨される回答を表示してくれる機能だという。ただ、相手から質問形式で問いかけられないと反応しないので、結構使うチャンスは少ないのではないだろうか。試しにある企業のラウンドテーブルの時に起動してみたが、1時間の間ずっと聞き取っているだけで、1語も反応しなかった。
そもそも自分に対して何か質問されたのであれば、質問の回答は自分が持っているわけで、わざわざAIに助けてもらう必然性が薄いのではないだろうか。それよりも、自然文の会話の中で頻出するキーワードを抽出し、それに対する説明を表示するみたいな機能の方が、商談などにも使いやすいのではないかと思う。
現時点で期待通り機能するのは、音声メモ、Life Log、テレプロンプターぐらいである。そのほかの機能は、音声認識の反応を上げていけば、ちゃんと有用な機能だと思われる。
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小寺信良のIT大作戦
ベテランのテクノロジーライターである小寺信良さんがIT分野全般にわたって考察する。
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