相次ぐ「道路冠水」が予測しづらい理由 ナビタイムに聞く、豪雨からクルマを救う「道路標高マップ」試作のきっかけ(3/3 ページ)

標高データと生成AIの組み合わせ

 開発担当者は「今回のプロトタイプでは、道路標高データを入力データとし、地形の解析から降雨時の雨水の流れ込み・滞留傾向のシミュレーションまでを、生成AIを活用して一括で処理・生成させています。既存の標高データと生成AIを組み合わせることで、直感的な水流シミュレーションを迅速に可視化する技術アプローチの検証を行っています」と話す。

 ただし、下水道など道路の排水施設の能力やリアルタイムの雨量は考慮していない。だから青くなった道は“冠水が予想される場所”ではなく、あくまでも“周囲から多くの雨水が流れ込むと予想される場所”だ。

猛烈な雨を止めたところ。“多くの雨水が流れ込むと予想される場所”を確認できる

 ナビタイムによると、道路の冠水を予測するには、道路の排水施設の能力の他に土壌の吸水性、周囲にある河川の状況、リアルタイムの降雨量なども考慮する必要があり、今のところそうしたデータはないという。「そもそも道路の排水能力などのデータが存在するのかも分かりません」。

 このため、道路標高マップは現状、参考用の技術検証ツールという位置付けで、同社のカーナビアプリに取り入れる予定もない。それでも大雨の予報が出た時、どこの道を避けるべきか、クルマをどこに駐車するべきかと心配しているドライバーにとっては貴重な情報になるはずだ。

 「平時の防災・通行の参考情報として、自宅や職場周辺、よく通るルート上に存在する“周囲より低い地形”を把握し、大雨時の危険予測の参考情報として活用いただければ」(ナビタイム)。

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