小寺信良のIT大作戦

Appleの「iPhone Duo」は、折りたたみスマホの未来を開くのか、閉じるのか(2/4 ページ)

 しかし今回はスマートフォンだ。用途はタブレットに比べればかなり広く開拓されており、カメラとしてはもちろん、決済やセキュリティ認証などでも使用されている。SNSやプライベートなコミュニケーションの中心でもあり、テザリングで通信の中枢となったりもする。音楽再生や動画サービスのコンテンツ端末としても広く普及しており、コンテンツ制作側はもはやスマホを中心に据えるべく、コンテンツの作り方も変え始めている。

 これまでは、高くても利便性が上がれば……ということで、フォルダブル型スマートフォンは多少高くても買う人はいる、という状況であった。現在日本で販売されている横折りスマホの中心価格は、30万円までは超えない程度の、20万円後半である。

8月に日本でも発売されたサムスン電子ジャパンの「Samsung Galaxy Z Fold8」。直販価格は256GB版の26万9880円から(出典・サムスン電子ジャパン)

 日本ではおそらくこのあたりに、スマートフォンというデバイスに対する価値観の上限があったのだろう。しかしAppleはそうした肌感覚を楽々超えてきた。この価格設定に、新CEOジョン・ターナス氏への批判も起こり始めている。

 米ドルでの価格を見ると、256GBモデルで1999ドル、2TBモデルで3199ドルということで、かつて円が強かった時代に思いを馳せれば、25万円から37万円ぐらいの範囲で収まったのではないだろうか。直近のレート、1ドル154円台で計算すれば、256GBモデルは約31万円程度となる。もう少し頑張って最低容量で30万円を切れば、風当たりもまた違っていただろう。

米ドルと円の為替レート推移(週足)。7月に1ドル163.99円をつけた後は円高に振れ始め、9月14日時点では1ドル154円前後になっている(出典・Yahoo!ファイナンス)

 今回発表されたiPhoneシリーズの価格は、1ドル166円程度で換算されている。直近で最も円安だったのは、7月23日の1ドル163.99円で、それ以降為替市場は全体的に円高へ振れ始めている。Macの公式価格は今年発表のモデルでも1ドル156円程度で換算されており、現状の154円と比較しても妥当なレートだ。

 円高傾向が今後も続くかはまだ予想できないが、このまま一定期間円高の状態が続けば、今回のiPhoneの価格設定はどうなんだ、という批判は起きるだろう。

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