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ネットの歴史も繰り返すNews Weekly Access Top10(2006年10月21日-10月27日)

» 2006年10月30日 20時51分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 先週のアクセストップは、就職活動の際、企業が自社への就職を希望している学生の名前をネットで検索したり、ブログやSNS(ソーシャネットワーキングサービス)を見て問題がないかチェックすることがある、という記事だった。

 企業が志望者の情報をネットで探すという動きは、ブログ以前の、Web日記時代からあったようだ。1990年代後半にWebで公開日記を書き、同時に就職活動をしていたというある男性は、日記のアクセス解析で就職活動先企業IPを見つけ、あわてて新たにプログラムを組み、問題がありそうな内容はそのIPからは表示できないようにしたそうだ。

 最近「ネットの歴史が繰り返している」と感じることがよくある。SNSやブログで同じ趣味の人に出会ったり、意外な人と再会できる感動は、パソコン通信や初期のネットで趣味のフォーラムやWebサイトに入り浸ったり、「この指とまれ!」のような同窓会サービスで昔の同級生に再会できた時の感動に近い。mixi上での「チェーン日記」の流行も、チェーンメールに関する議論を思い起こさせる。

 1990年代に初めてネットに出会った人たち、もしくは、パソコン通信時代からPCを触っている人たちにとって珍しくないことが、最近ネットを使い始めた人にとっては新鮮に映っているようだ。そういう意味では確かにWebは「2.0」時代に入ったのかもしれない。

 ただ最近気になるのは、「Web2.0」という言葉を冠したサービスのリリースがあまりに多いこと。「企画書にWeb2.0とさえ書いておけば、どんな会議も通る時代になったのか」と邪推したくなるほどだ。ティム・オーライリーが言っていたWeb2.0の要素も忘れ去られ、それぞれの人やメディアが好きな解釈でWeb2.0を定義し、使っている。

 Web2.0はマーケティングキーワードに過ぎず、ドットコムと同じようにバブル化して終わるという見方は以前からあったが、そろそろバブルがはじけるのではないか――タイムリミットが刻々と近づいている気がする。

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