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オフィスPCを4割省電力化 富士通、環境負荷低減を支援する運用管理ソフト

» 2009年05月11日 07時00分 公開
[小笠原由依,ITmedia]

 富士通は、IT資産統合運用管理ソフトにオフィスPCの省電力化などを支援する機能を追加した「Systemwalker Desktop シリーズV14g」を8月下旬から提供する。ユーザーにオフィスPCの環境負荷を意識させる機能や、管理者が電源オプションを一元管理する機能の搭載で、電力浪費を防止し、PCの消費電力量を約4割削減できるという。

 PCや周辺機器などのIT資産管理や、情報漏えい対策を行う統合運用管理ソフト「Systemwalker Deskトップシリーズ」に、オフィスPCの省電力化や消費電力・CO2排出量を可視化したり、印刷用紙の削減を支援する機能を追加した。リリースするのは「Systemwalker Desktop Patrol V14g」(Desktop Patrol)と「Systemwalker Desktop Keeper V14g」(Desktop Keeper)の2製品。

 2010年4月に施行される改正省エネルギー法で企業に対する規制が広がる。同社の大西真吾システムマネジメント・ミドルウェア事業部長は「2009年は省エネ法の改正を受け、オフィスの省電力、印刷用紙の削減は重要になる」とみる。

 IT機器を利用することによる環境負荷は年々高まっているといい、IT機器のエネルギー消費量のうち3割をPCが占めるという。だが、オフィスPC管理では(1)利用者のモラルやスキルに依存すること、(2)省電力設定の徹底の難しさ、(3)削減効果が分からない──などが課題になる。

 このため新製品では、課題解決のために(1)PC利用者の省資源意識の向上や、(2)業務に合わせた省電力設定の統制、(3)コスト・CO2削減効果の見える化──を目指した。

photo 違反している場合には赤い×ボタンを表示する。エンドユーザーがボタンをクリックすると詳細を表示。処理ボタンを押すと自動で設定を変更する。

 Desktop Patrolは、省電力設定の一元管理が可能だ。管理者が全PCの省電力ルールを決めて一括配布し、違反しているエンドユーザーには設定変更を行うように通知する。削減効果の「見える化」として、消費電力、電気代、CO2排出量や、前月と比較した削減量の詳細な監査レポートもユーザーが画面で確認できるようにした。

 管理者が時間を指定して、つけっぱなしのPCをスタンバイや休止状態に移行することも可能。同社のシステムマネジメント・ミドルウェア事業部のPC300台に適用し「昼食、会議、朝礼の時間帯をスタンバイモードに変更したところ、平均して約40%の電力削減になった」という。

 深夜帯にウイルススキャンをするユーザーが多いことも考慮し、ウイルススキャンを実行している間だけスタンバイを解除し、終了後にスタンバイ状態に戻す機能も装備した。

 Desktop Keeperは印刷量の管理が可能。印刷量の多いユーザーに警告を表示し、紙の印刷量を抑制。管理者が設定した上限値を超えると、自動的に印刷を禁止することもできる。監査レポートとして印刷用紙代・CO2の削減量を表示することも可能だ。

 サーバライセンスの価格は、Desktop Patrolが25万円、Desktop Keeperが48万8000円。クライアントライセンスの価格は、Desktop Patrolが9300円からで、Desktop Keeperが1万3300円から。

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