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「PSP go」の疑問 UMDは、販売店は、ソフト開発はどうなる

» 2009年06月04日 17時34分 公開
[ITmedia]
画像 PSP go

 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が6月2日に発表した新型PSP「PSP go」は、PSPシステム独自のUMDドライブを省き、ゲームはダウンロードで入手する仕組みだ。「ネットワーク」を次の成長の柱に育てたいソニーグループらしい展開だが、ネット上では「これまでに購入したUMDソフトは使えなくなるのか」「販売店はどうなる」「個人開発者がソフトを開発することはできないのか」といった疑問の声が挙がっている。

 従来のPSPユーザーが購入したUMDゲームを、PSP goでも楽しむ方法はないのだろうか。SCE広報部に聞いてみたところ「今の時点で言えることはないが、前向きに検討していきたい」とし、UMDゲーム資産を無駄にしないで済むような施策を打ち出す可能性はあるようだ。

 UMDドライブを搭載した従来のPSPも当面は販売を続ける予定だ。だが将来、UMDソフトがなくなり、すべてダウンロードベースになれば、ゲーム店は売るPSPソフトがなくなる。PSP goの発表を受け、ゲーム店「ゲームズマーヤ」(東京都江戸川区)の店長はブログで、「『お店』はもういらないって事? 必要とされていないの?」と危機感をあらわにした。

 SCEによると現在、一部店舗には、アクセスポイント「PlayStation Spot」を設置し、PSP用ゲームをダウンロード提供している。ただこれは、主に体験版ダウンロード向け。PSP go発売後にPlayStation Spotを拡充するといった計画もないそうで、販売店がPSP go用のダウンロードソフト流通に関わる可能性は薄そうだ。

 PSP go発表に合わせてSCEは、PSP用ゲーム開発ツールを大幅に値下げ。開発のすそ野を一気に広げ、タイトル数を拡大する戦略を打ち出した。

 ソフト開発の障壁を下げ、サードパーティーからネット経由で多くのソフトを供給してもらうことで、ハードを含むプラットフォームを拡大する――という戦略は、AppleのApp StoreとiPhone/iPod touchと同じ構造だ。

 App Storeの場合、ソフトはゲームメーカーなど企業だけでなく、個人でも制作・販売できる。PSPの場合は今のところ、ソフトを開発できるのはゲームメーカーのみ。ただ「将来的には、個人にも開放する可能性を検討したい」としており、今後、個人開発者がPSPゲームを開発できるようになる可能性はありそうだ。

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