ITmedia NEWS > 製品動向 >

シャープ、家庭用LED電球に参入 他社より安価に、リモコンで色調節機能も

» 2009年06月12日 07時00分 公開
[ITmedia]
photo

 シャープは6月11日、LED電球で家庭用照明市場に参入すると発表した。リモコンで色を調節できる機能を備えた最上位モデルなど9機種を7月15日に発売。普及モデルの実売予想価格は1個4000円程度と、既に販売している他社製品の半額程度に抑える戦略的な価格設定で普及を図っていく。

 発売するのは、60ワット白熱電球相当の「600シリーズ」5機種と、40ワット球相当の「400シリーズ」4機種。白熱電球の口金(E-26)に差し込んで使える電球タイプで、蛍光灯と同様の色の昼白色相当(色温度5000K)タイプと、電球色相当(2800K)タイプをそろえる。

 消費電力は「DL-L601N/L」は7.5ワット、「DL-L401N/L」は4.1ワットと白熱球に比べ大幅に抑え、1円の電気料金でそれぞれ約11時間、約6時間点灯できるという。設計寿命も4万時間と白熱球の約40倍で、1日10時間使っても10年以上取り替えずに済むとしている。明るさはDL-L601Nで560ルーメンと、一般照明用のLED電球としては業界トップクラスを実現したという。

photo DL-L60AVは、昼白色と電球色をリモコンで段階的に切り替えて調光できる。LED電球は分光分布が蛍光灯に比べ均一で自然光に近く、350ナノメートル付近の紫外線がほとんど出ないため、虫が集まりにくいなどのメリットがあるとしている

 最上位モデルの「DL-L60AV」は、リモコンで昼白色と電球色を段階的に切り替えて使える調光機能をLED電球としては業界で初めて搭載。昼白色用のLEDと電球色用のLEDをそれぞれ内蔵し、リモコンを使って各色の割合を7段階で調節でき、明るさも7段階で切り替えられ、合計49パターンの設定が可能だ。朝食は昼白色で、夕食は電球色で──など、生活サイクルやその日の気分を照明で演出できる。

 家電量販店などで販売し、実売予想価格はDL-L60AVが8000円前後、そのほかの600シリーズは調光器対応モデルが5500円前後、スタンダードモデルが4000円前後。400シリーズは調光器対応モデルが5400円前後、スタンダードモデルが3900円前後。

 既に企業向けLED照明には参入済み。政府は2012年までに白熱球を全廃する計画を掲げており、家庭用照明市場で白熱球型蛍光灯に加えてLED照明も成長しそうだ。同社の予測では、12年の世界照明市場約11兆円のうち、約2兆円がLED照明で占められるという。

 だが「AQUOS」で環境イメージが強いシャープも、家庭用照明市場では認知がゼロの段階。先行する東芝などの半額程度となる「思い切った価格」に設定してシェア獲得を図り、早期に売上高500億円規模の事業に育てたい考え。家庭向けの埋め込み型タイプなども、販路開拓に課題があるものの、今後参入を検討していく。

関連キーワード

照明 | LED | シャープ | LED照明


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.