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ビジネスイベント専用SNS「Event Force」 「リアルで出会ってつながって」

» 2009年06月16日 14時06分 公開
[岡田有花,ITmedia]
画像 EventForceトップページ

 ネットベンチャーのアルカーナ(東京都港区)は6月16日、ビジネスイベント用SNS「EventForce」(イベントフォース)を公開した。イベント主催者が情報を登録し、参加者を募集・管理する機能と、参加者が気になるイベントを探したり、ほかの参加者と交流できる機能を備えている。

 セミナーや勉強会、交流会などのビジネスイベント専用。主催者アカウントと参加者アカウントに分かれており、それぞれ、基本機能は無料で利用できる。

 主催者は、専用フォームからイベントの概要や日時など詳細を登録し、同社の承認を受ければ、参加者アカウントを持つユーザーに告知できる。イベントの紹介ページを別サイトに埋め込んだり、参加してほしい人に招待メールを発送することも可能だ。

 イベントの参加受け付け機能もあり、参加者の一覧表をWebでチェックしたり、CSVファイル化してダウンロードすることもできる。


画像 イベント紹介ページ
画像 紹介ページ作成用の入力フォーム

 参加者は、ユーザー登録して気になるイベントを検索し、参加登録できる。イベント日時のリマインダー機能や、イベント主催者をファン登録して更新情報を受け取る機能、ほかの参加者をチェックする機能、参加者同士で友人登録し、友人が参加しているイベント情報を入手したり、メッセージ交換するSNS機能も備えた。

 参加に個人情報の登録が必要なイベントの場合は、「主催者に個人情報(メールアドレスや所属など、イベントによって異なる)を公開する」というチェックボックスにチェックを入れるだけで、あらかじめ登録しておいたユーザー情報から必要な情報だけが渡る仕組み。イベントごとに情報を入れ直す手間がない。

画像 ユーザートップページ

 今後は、おすすめイベントを知らせる機能や、参加費の決済機能も追加する計画だ。

 参加者は完全無料。主催者も基本的な機能を無料で利用できる。主催者向けには有料オプション(初期費用5000円、月額3000円)も用意。おすすめイベントとして紹介するための枠を利用したり、特定のターゲットにイベントへの招待メッセージを送ったり、アンケートを行ったりできる。

 バナー広告やテキスト広告も販売。おすすめイベント枠も、広告として販売する。イベントのスポンサー探しも行い、スポンサー料は主催者とシェアする。今後は、イベントの動画を撮影し、プレゼンテーション資料と一緒にネット公開する有料オプションも提供する計画だ。

ネットサービスを通じ、リアルで会う

画像 原田さん

 運営元のアルカーナは、慶応義塾大学在学時からSNS研究家として活躍した原田和英さん(28)が2007年に興したベンチャー企業。学生時代からこれまでに40〜50のイベントに携わった経験から、「イベントの主催者は、参加者管理を手作業でやっている人が多い」と気付いたという。

 EventForceなら、イベントの告知ページや申し込みフォームを用意したり、申し込みをExcel表に1つ1つ入力して管理するといった手間もなく、手軽に参加者の募集・管理が可能。参加者も、イベントごとに個人情報を入力せずに済むほか、同じイベントに参加した人とイベント後にも交流を保てるといったメリットがある。

 ネット上でリアルイベントを管理してもらうことで、リアルでの出会いを促進したいという思いがある。「日本社会では、何をするにも『まず会いましょう』となるから」――原田さんは、仕事のマッチングサイト「アポロン」を運営する中でこう実感したといい、リアルの出会いがネット上での交流を活発にするきかっけになるとみている。

 アポロンは、「してほしい仕事」と「できる仕事」を登録し、お互いをマッチングするという、米国などではメジャーな形態のサイトだが、会ったことがない人を信用しない傾向にある日本では、米国ほど利用されないという。

 EventForceは、イベントというリアルの場での出会いが前提。ネット上の見知らぬ人に、イベントで実際に会うことで安心感を持ってもらえば、アポロンを抵抗なく使えってもらうきっかけになるとみており、アポロンとの連動も視野に入れている。

 1年で200社の参加と、単月黒字化を目指して運営していく。

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